■要旨
・東京オフィス市場は好調を維持し、空室率低下と賃料上昇が継続。
・訪日客数が減少に転じ、ホテルの宿泊者数も4期連続の前年割れ。
・金利先高観による海外投資家の売り等でJ-REIT市場は下落。
経済動向と住宅市場
8/17に公表予定の2026年4-6月期の実質GDPは、前期比+0.6%(前期比年率+2.4%)と3四半期連続のプラス成長になったと推計される。中東情勢の悪影響は当初の想定を下回り、民間消費や設備投資の増加が経済成長を牽引した。また、外需寄与度も3四半期連続でプラスとなった。ただし、7-9月期は、民間消費の減速に加え、原油の代替調達の進展などに伴う輸入の増加が成長率の押し下げ要因となり、ほぼゼロ成長まで減速する見込みである。
経済産業省によると、4-6月期の鉱工業生産指数は前期比0.0%の横ばいとなった。業種別では、電気・情報通信機械や生産用機械は3四半期連続で上昇し好調を維持したが、中東情勢の悪化を受けて無機・有機化学や石油・石炭製品が大きく落ち込んだ。もっとも、7月以降の生産については、7/28に発生した熊本地震による工場の操業停止の影響などを踏まえると、当面は下振れリスクの高い状況が続くと予想される。
ニッセイ基礎研究所は、6月に経済見通しの改定を行った。実質GDP成長率は2026年度+0.5%、2027年度+1.1%を予想する。

住宅市場では、住宅価格が上昇するなか、中古マンションの成約件数に頭打ち感がみられる。
2026年6月の新設住宅着工戸数は66,344戸(前年同月比+18.6%)と3カ月連続で増加し、4-6月累計では約18.7万戸(前年同期比+20.2%)となった。ただし、前年の4-6月期は建築物省エネ法および建築基準法の改正(2025年4月施行)の影響で、着工戸数は大きく減少していた。2024年同期との比較では依然として約10%下回っており、住宅着工の低迷が続いている。

2026年6月の首都圏のマンション新規発売戸数は1,564戸(前年同月比▲4.7%)、4-6月累計では4,174戸(前年同期比+6.1%)となった。6月の1戸当たり平均価格は1億137万円(前年同月比+10.6%)、m2単価は153.0万円(同+12.2%)、販売在庫数は6,389戸(同+363戸)となっている。

東日本不動産流通機構によると、2026年6月の首都圏の中古マンション成約件数は4,241件(前年同月比▲1.3%)と3カ月連続で減少し、4-6月累計では11,853件(前年同期比▲2.0%)となり、7四半期ぶりに前年同期比で減少に転じた。

また、日本不動産研究所によると、2026年5月の住宅価格指数(首都圏中古マンション)は前月比+0.0%、過去1年間では+10.7%の上昇となった。

地価動向
地価は、住宅地・商業地ともに上昇している。国土交通省「地価LOOKレポート(2026年第1四半期)」によると、9四半期連続で全ての地区(全国44地区)が上昇となった。同レポートでは、「住宅地では、主に利便性や住環境の優れた地区におけるマンション需要に引き続き堅調さが認められたことから上昇傾向が継続。商業地では、再開発事業の進展や国内外からの観光客の増加もあり、店舗・ホテル需要が堅調であったこと。また、オフィス需要も底堅く推移したことなどから、上昇傾向が継続した」としている。

また、野村不動産ソリューションズによると、首都圏住宅地価格の変動率(7月1日時点)は前期比+0.8%(前回+1.3%)となり、24四半期連続でプラスとなった。首都圏全体では、値上がり地点が減少する一方、横ばい地点が増加し、価格の上昇ペースはやや鈍化した)。

