ペルシャ湾内にあるサウジアラビアの主要石油輸出ターミナルに超大型タンカー(VLCC)が係留されていることが、衛星画像で確認された。こうした船舶の確認は約1カ月ぶりとなる。石油輸出への脅威が紅海にも及ぶ中、サウジは出荷を維持しようと努めている。

衛星画像は、欧州連合(EU)の衛星「センチネル2」が11日に撮影した。画像には、約200万バレルの原油を積載できるVLCCが、巨大なラスタヌラ石油輸出複合施設の一部を構成するジュアイマの積み込み拠点の一つに係留されている様子が写る。同地で船舶が最後に確認されたのは7月半ばだ。ただ、衛星画像は毎日得られるわけではないため、その後も船舶が寄港していた可能性がある。

米国とイランの短期間の暫定和平合意により、タンカーがホルムズ海峡を通航できるようになると、サウジはペルシャ湾からの輸出を増やした。しかし、その後は湾内にある同国の港で確認された船舶は比較的少ない。

石油輸出国機構(OPEC)最大の産油国であるサウジは、1日当たり数百万バレルを紅海のヤンブー港に振り向けている。ただ、イエメンの親イラン武装組織フーシ派がサウジ関連の船舶への攻撃を開始すると表明したことで、こうした原油の流れを追跡することも一段と難しくなった。現在、ほとんどの船舶はこの地域にいる間、自動位置情報の発信を停止している。

サウジアラビアのジュアイマの積み込み拠点に係留された石油タンカー1隻(8月12日)

国営石油会社サウジアラムコはコメントを控えた。サウジ・エネルギー省当局者からはコメントを得られなかった。

サウジ政府はOPECに対し、7月の原油生産量が1日当たり100万バレル強増加したと報告したが、戦争前の水準を大幅に下回っている。

衛星画像は断続的にしか得られず、積み込み作業の全容を示していない可能性がある。8月11日までの26日間で、センチネル1とセンチネル2が鮮明な画像を撮影できたのは半分強の日数にとどまった。この間には、VLCCが積み込みを終えて出港できるほど長い間、撮影が途切れた期間が3回あった。

11日の画像には、ジュアイマから約20マイル南に位置するラスタヌラの主要輸出施設であるシー・アイランドに、別のタンカーが係留されている様子も写っている。船体の大きさから、約100万バレルを運べるスエズマックス級とみられる。同地で今月、係留が確認された船舶としては2隻目で、1週間前にはこれより小型のアフラマックス級の船舶が確認されていた。

サウジの紅海沿岸にあるヤンブーでは、二つの輸出ターミナルの画像から、フーシ派がサウジの港への寄港船に攻撃を警告する前と比べて、活動が低下していることが分かる。

同じく11日に撮影された画像には、ヤンブー・ノース・ターミナルにアフラマックス級船舶2隻、ヤンブー・サウスにVLCC1隻が写っている。これら3隻は合計で約340万バレルの原油を運ぶことができるが、VLCCのような大型船は通常、積み込みに1日以上かかる。

フーシ派による警告以前は、両ターミナルにある七つのバースのうち六つが使用されていることも珍しくなかった。

現在、ヤンブーからの出荷の大半は北に向かい、スエズ運河や、紅海と地中海を結ぶスエズ・地中海(SUMED)パイプラインを経由している。ボルテクサの推計によると、先週は地中海のシディ・ケリール・ターミナルから1日当たり約220万バレルの原油が出荷され、少なくとも2016年以降で最多となった。

最近まで、イエメン沖のバブルマンデブ海峡を通ってアラビア海へ南下するルートが主流だった。アフリカを迂回(うかい)する航路に比べて、紅海からアジア市場へ抜ける近道だったが、この流れが変化している。

原題:Tanker Seen Loading at Key Saudi Hub for First Time in Weeks (1)(抜粋)

--取材協力:Salma El Wardany、Anthony Di Paola、Grant Smith.

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