単独機として世界最悪の520人の犠牲者を出した未曾有の惨事。事故から41年が経過し、当時の記憶が社会から薄れゆく一方で、日航機事故についてインターネット上では様々な憶測や、真偽不明の言説が飛び交うようになった。 そうした中で、残されたフライトレコーダーの生データは、ネット空間の憶測を物理学的に退ける根拠であり、客観的事実を示していた。

41年目の新春、引き継がれた「証拠」

日航ジャンボ機墜落事故から41年目を迎えた2026年1月。日本航空の社員が、ある男性のもとを訪れた。 男性の名前は、川幡長勝(かわはた ながかつ)氏。旧運輸省・航空事故調査委員会の専門委員として、墜落した123便のフライトレコーダーの解析を担当した人物だ。 自宅には、当時のコンピュータが打ち出したデータが刻まれた長さ2.3メートルのロール紙が、4本保管されていた。

※川幡氏が日航に寄贈した解析データのロール紙 2026年4月 筆者撮影

引き取り手がなければ廃棄される運命にあった貴重な生データは、日航社員との面会を経て、安全啓発センターへ寄贈されることが決まった。