中国人民銀行(中央銀行)が香港で保管する金を増やしている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。香港は主要な金取引拠点になることを目指しており、その実現を後押しする狙いとみられる。

非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、人民銀はここ数カ月にわたり、香港での金在庫を積み増してきた。今回の追加分は、ロンドンから金準備の一部を香港へ移す長期的な流れを加速させるものだという。

関係者によれば、金をロンドンから香港に移す動きは今後も続く見通しだ。

人民銀と、中国の外貨準備を所管する国家外為管理局(SAFE)にファクスで問い合わせたが、すぐには返答がなかった。香港政府の財経事務・庫務局の報道担当者はコメントを控えた。

世界の多くの中銀は、金準備の一部を主要な金取引市場であるロンドンに保管している。保有する金を商業銀行に貸し出すことで、金準備を機動的に運用できるためだ。また、大量の金準備は重要な流動性の供給源にもなっている。

もっとも近年では、インドやセルビアなど一部の中銀が、安全保障上や政治的な理由から金準備の一部を国内に戻している。人民銀も世界有数の公的部門の金購入主体の一つで、6月の購入量は2023年10月以来の高水準となった。これで20カ月連続の積み増しとなる。

人民銀は香港へ金をさらに移すことで、試験運用を先月開始した金決済システムを後押しする姿勢を示している。この仕組みには新たな価格指標(ベンチマーク)が含まれており、香港の国際的な価格形成機能を強化する重要な一歩となる。これは既存の国際取引拠点だけでなく、金取引の強化を進める地域のライバルであるシンガポールへの挑戦にもなる。

原題:China Central Bank Adds Gold in Hong Kong to Support Trading Hub(抜粋)

--取材協力:Yujing Liu、Qizi Sun、Kiuyan Wong.

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