金融市場(7月)の振り返りと予測表
(10年国債利回り)
7月の動き(↗) 月初2.7%近辺でスタートし、月末は2.7%台後半に。
月初、政府が公表した「骨太の方針」原案を受けて財政拡張や日銀のビハインド・ザ・カーブ懸念が高まり、7日に2.8%台半ばに上昇。さらに米・イランによる軍事衝突再発に伴う原油価格上昇を受けて、9日には一時約30年ぶりの高水準となる2.9%を付けた。その後は、片山財務相発言に端を発するGPIFによる国内投資拡大への思惑や米国物価指標の予想比下振れが金利抑制に働き、15日には一旦2.7%を割り込んだ。月後半には中東情勢の緊迫化によるさらなる原油価格上昇を受けて再び上昇し、24日には2.8%台に乗せたが、中東情勢の緩和期待による原油価格下落を受けて27日には2.8%を割り込んだ。月末も2.7%台後半で着地した。


(ドル円レート)
7月の動き(↘) 月初162円台後半でスタートし、月末は160円台半ばに。
月初、一部観測報道を受けて円買い介入への警戒が高まり、3日に161円台前半に下落したが、「骨太の方針」を巡る財政拡張や日銀のビハインド・ザ・カーブ懸念に加え、イラン情勢の緊迫化や原油価格上昇を受けた有事のドル買い、本邦貿易赤字拡大観測などが円安圧力となり、9日には162円台半ばへ上昇した。その後もイラン情勢の緊迫化などが円安圧力となったものの、GPIFによる国内投資拡大への思惑や米国物価指標の予想比下振れが円の支えとなり、しばらく162円台での膠着した推移に。下旬には、イラン情勢がさらに緊迫度を増したことで円安が進行、24日には163円台後半に達した。月末は日本政府による円買い介入が実施されたとみられ、160円台半ばで終了した(その後、海外時間に日米協調介入が実施され、157円台に)。
(ユーロドルレート)
7月の動き(↗) 月初1.13ドル台後半でスタートし、月末は1.14ドル台後半に。
月初、米雇用統計の冴えない結果を受けてドル売りが入り、3日に1.14ドル台半ばへ上昇。その後は、中東情勢の緊迫化に伴う「有事のドル買い」が下押し圧力になったものの、ECBの利上げ観測がユーロの支えとなる形で1.14ドル台での膠着した展開が継続した。下旬には、中東情勢がさらに緊迫化したことでドル高圧力が高まり、23日に1.13ドル台後半へと下落。30日にはFOMC後のウォーシュFRB議長会見が利上げに慎重と受け止められたほか、円買い介入によるとみられる対円でのドル安が対ユーロに波及したことで1.14ドル台後半に上昇。月末も概ね同水準で終了した。

(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主席エコノミスト 上野 剛志)