9月の銀行株は市場全体に比べて出遅れている。投資家がAIエージェントの脅威や11月の米中間選挙の影響、金利上昇を警戒しているためだ。ただ、ウェルズ・ファーゴのアナリスト、マイク・メイヨー氏は、こうした懸念は行き過ぎだとみている。

メイヨー氏は9月29日付のリポートで、「銀行に対する信頼は預金を守る『堀』だ」として、10月に銀行各社が決算を発表すれば、AI「恐怖トレード」はおそらく反転するだろうと指摘した。決算シーズンは10月13日に始まり、JPモルガン・チェースなど大手銀行が同日に決算発表を控えている。

9月に入り、銀行株は大きく下げた。メタ・プラットフォームズのAIエージェント「Muse(ミューズ)」が急速に普及し、AIへの懸念が銀行株を特に大きく圧迫したのが背景だ。エージェント型AIによって、顧客が預金をより有利な口座へ簡単に移せるようになれば、銀行が低コストの預金をつなぎ留める上で支えとなってきた、顧客が取引先を容易には変えないとの傾向が弱まる恐れがあるためだ。

メイヨー氏は、銀行セクターの重しとなっている他の2つの懸念にも反論した。中間選挙は規制緩和に「打撃を与える可能性はあるが、その流れを頓挫させることはないはずだ」と記した。また、「金利上昇はこれまでのところ、資本市場や融資の伸び、信用状況に悪影響を及ぼしていない」とも指摘した。

銀行株の指標であるKBW銀行指数は、米東部時間30日午前の取引終盤に約0.5%下落した。年初来では4%余り上昇しているものの、S&P500種株価指数の13%高には及ばない。KBW銀行指数は9月に8%近く下落しており、2025年3月以来の大幅な月間下落となるペースだ。

メイヨー氏はさらに、現在の金利を巡る懸念を考えると注意は必要だが、今後1年間の銀行株について「前向きな見方を維持している」と付け加えた。

原題:Mike Mayo Says AI ‘Scare Trade’ Hit to Bank Stocks Is Overdone

(抜粋)

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