(個人向け国債の拡大余地は大)
前述の通り、個人向け国債の販売は近年拡大傾向にあるが、預金に対する優位性が高まっていることや、家計金融資産に占める割合が依然として低いことを踏まえると、販売がさらに拡大する余地は大きいだろう。
日銀が国債保有残高の圧縮を続けるなか、家計には、日銀に代わる安定保有主体の一翼を担うことも期待されている。これに関連して、政府は先月策定した「骨太の方針」で、「個人向け国債の魅力向上による国内投資家層の拡大を図る」との方針を掲げた。また、国民民主党が国債をNISAの対象に加える法案を提出し、片山財務相も前向きな姿勢を示すなど、政策面で後押ししようとする機運も高まりつつある。

実際、2024年に実施されたNISA拡充は投資信託にとって強い追い風となった。NISAが拡充された同年1月を境として、家計資産の投資信託への純流入額は概ね倍増している。
家計の国債保有残高は直近の3月末時点で約20兆円にすぎない。一方、商品性の近い定期性預金は350兆円余り、流動性預金と合わせれば1000兆円を超える。こうした資金量を踏まえると、政策的な後押し次第では、預金から個人向け国債への大幅な資金シフトが起きる可能性もある。
