(ブルームバーグ):トランプ米大統領は28日、米FOXニュースのインタビューで、イランとの戦争が再び激化する事態は避けたいとの考えを示し、イランに対し合意に応じるよう促した。双方が報復攻撃を停止する中、さらなる外交交渉への道筋を示した形だ。
トランプ氏は「現在、われわれは非常に有利な立場にあると思う」と述べた。合意に至らなければ、イランの主要な橋を爆撃すると改めて警告しつつ、「それを避けられるなら、そうしたい」と語った。
米国は約2週間続けたイランへの攻撃を4日前に停止し、これに対してイランも湾岸諸国への報復攻撃を停止している。現在は、5カ月に及ぶ戦争で最大の争点となっているホルムズ海峡の航行再開を巡るイランとオマーンの協議に焦点が移っている。
事情に詳しい関係者によると、オマーンとイランの交渉担当者は週末にテヘランで会談し、協議は現在も続いている。船舶がホルムズ海峡をより頻繁に航行できるようにすることで、両国が合意できれば、イランは核開発計画を巡る米国との正式な交渉を再開し、戦争を恒久的に終結できる可能性がある。
オマーン当局は、今後数日以内に進展を示す発表を行いたい考えだが、実現する保証はないという。
イランのガリババディ外務次官は28日、国営イラン放送(IRIB)に対し、「われわれは米国との交渉を要請しておらず、米国に対して停戦を求めてもいない」と述べた。同氏は、戦争終結に向けた方策を提案するメッセージを、米国側がオマーン経由で送ってきたと語った。
ガリババディ氏は、米国による海上封鎖でイランが交渉に応じることはないとの認識を示した。ホルムズ海峡の航路については、「イランが提案した航路以外の案は受け入れられない。オマーンがわれわれの条件を受け入れないとしても、ホルムズ海峡の南側航路は認めない」と語った。
北海ブレント原油先物は28日、一時1バレル=85ドルを下回った。戦闘が激化した23日には、100ドルを上回っていた。
原油価格の下落は、米国のガソリン価格の低下につながる可能性が高く、戦争の集結を求めるトランプ氏への圧力が和らぎそうだ。米国民の多くは戦争に反対しており、11月の中間選挙を前に、トランプ氏率いる与党・共和党の支持率に影響を及ぼしている。
トランプ氏は28日、ワシントンでイスラエルのネタニヤフ首相と会談する予定だ。ネタニヤフ氏は、イランの核開発計画について、米国が「継続的な監視」を続けるようトランプ氏に求める方針だ。イランの核開発計画を巡る協議は、6月中旬に成立した米イランの暫定和平合意が崩壊したことで宙に浮いている。
緊張続く
中東地域では緊張状態が続き、ホルムズ海峡を通過する船舶の往来は再び落ち込んでいる。海峡を航行する船舶は、少なくとも自動船舶識別装置(AIS)のトランスポンダーを作動させた状態のものはほとんど見られない。イランは、自国の許可なく海峡を通過しようとする船舶への攻撃を引き続き示唆しているためだ。
米国は、船舶の寄港を阻止するため、イランに対する海上封鎖を再開している。トランプ氏はFOXニュースで「イランは機雷を数個敷設して混乱を引き起こすことはできるかもしれない。しかし、海峡を支配しているのはわれわれだ」と強調した。
紅海南部とバベルマンデブ海峡でも状況は行き詰まっている。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が先週、サウジアラビアの港に寄港しないよう船舶に警告して以降、この海域でも緊張が続く。
フーシ派がここ数日、船舶やサウジアラビア領内を攻撃したことを受け、空荷の大型原油タンカーは、サウジ産原油を積み込むため、エジプトの地中海沿岸にあるシディ・ケリル港へ向かっている。船舶追跡データによると、少なくとも8隻の原油タンカーが同港を目的地としており、8月中旬にかけて到着する見込みだ。サウジアラビアの紅海側にある主要原油輸出港ヤンブーへ向かう船舶は、確認できる限りでは減少している。
原題:Trump Plays Down Iran Escalation as Talks Focus on Hormuz (1)、Iran Says It Hasn’t Sought US Talks in Past 16-17 Days: IRIB (1)(抜粋)
(イラン外務次官の発言を6、7段落目に追加し更新します)
--取材協力:Eltaf Najafizada、Dan Williams、Andrea Salcedo.
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