AI開発大手OpenAIとアンソロピックの社員は、AI技術の進歩が速すぎる状況を防ぐため、AI開発の「意図的なペース調整」を支援する仕組みを米政府が支持するよう求め、請願書を回覧している。ChatGPTの開発元であるOpenAIは先週、開発中の自社モデルが意図せず他社の社内システムに侵入したことを明らかにしている。

ブルームバーグが入手した請願書は、AI研究の自動化が進む中、「人間が理解・制御できる速度を超えてAIが進歩する現実的なリスク」があると警告。最先端AIの開発ペースを意図的に管理するための技術やガバナンスの整備を、国際的に進めるよう訴えている。

請願書には「自動化された最先端AI開発ペースを意図的に調整するために、必要な技術的・ガバナンス上の手段を整備する国際的な取り組みを、米政府は支持すべきだ」と記されている。

関係者の1人が匿名で明らかにしたところによると、請願書は今週中にも公開される見通しで、グーグルのAI開発部門、ディープマインドの社員にも回覧されている。署名者数は明らかになっていない。OpenAIとアンソロピックはコメントの要請に応じなかった。一方、グーグルは「社会の利益のため、安全かつセキュアなAI開発に取り組んでいる」とコメントした。

OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)やグーグル・ディープマインドのデミス・ハサビスCEOらは、国際監督機関を新設し、最先端AIを審査し基準を策定するよう提唱している。今回の請願書はこの主張と軌を一にする。

アンソロピックもこれまで、危険が高まった場合に政府とAI企業が協調して開発の減速を判断する仕組みを提案し、「AI開発を減速または一時停止する選択肢を持つべきだ」としている。

こうした議論の背景には、人間の監督をほとんど必要とせず複雑な作業をこなすAIの能力向上や、重要ソフトウエアに潜むサイバーセキュリティー上の脆弱(ぜいじゃく)性を発見・悪用する可能性への懸念がある。先週にはOpenAIが、同社の最新AIモデルがAI開発プラットフォーム、ハギングフェイスの社内システムを「前例のない」形でハッキングしたと公表し、AI規制を求める声が改めて強まった。

原題:OpenAI, Anthropic Staff Share Letter For US to Help Slow AI (1)(抜粋)

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