中国の電気自動車(EV)メーカー比亜迪(BYD)は28日、日本市場向けに開発した軽EV「BYD RACCO(ラッコ)」の価格を214万5000円(消費税込み)からに設定したと発表した。日本で人気の高い軽スーパーハイトワゴン投入で販売拡大を目指す。

Photographer: Nicholas Takahashi/Bloomberg

発表によると、ラッコの最廉価グレード「200」は国の補助金を差し引いた実質負担額は199万5000円となる。目標販売台数は年間1万台とした。

ラッコの「200」と一充電あたりの走行距離が近い日産自動車の軽EVサクラの最廉価グレードは244万8600円からとなっているが、国産電池などを優遇する国の補助金適用後は186万8600円だ。また、ホンダの軽EV「N-ONE e:」も、航続距離が近いラッコの上位グレード「300 Plus」と比べて、実質負担額で12万8600万円安い。

米テスラとEV販売の世界首位を争うまでに急成長したBYDだが、日本では23年1月の市場参入以降、苦戦が続いている。25年の乗用車の登録台数は3742台と前年比では68%増となったが、日本全体に占める割合は0.1%に満たない。室内空間の広さや利便性の高さから人気を集める軽スーパーハイトワゴンの投入で事態打開を狙うが、補助金の壁が立ち塞がっている。

地方自治体の補助金も含めると競合車との価格差はさらに大きくなる可能性がある。例えば日産サクラの最も安い「S」グレードを補助金が手厚い東京都で買う場合、実質負担額は96万8600円だ。充放電と太陽光発電の設備を設置していれば都の補助は最大40万円追加されるため、負担額は56万8600円まで下がる。

自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、BYDが約2年前に軽EV導入を決めて以降、国の補助金算定で国産電池を採用するメーカーなどが優遇されるようになるなど「中国系メーカーには非常に厳しいルールが作られた」と指摘。同等の条件であればBYDは非常に高い競争力を持つが、補助金の格差により日本では「中国企業のアドバンテージはかなり限定されてしまう」と述べた。

--取材協力:高橋ニコラス.

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