AI・半導体に代わる「安全資産」は見つかりにくく、株価の上値は重い

7月27日の米国株式市場では、イラン情勢の改善期待が高まる中で原油価格がまとまった幅で下落し、楽観論が広がった。もっとも、ダウ平均は続伸となったものの、投資資金の偏在解消が進んだ模様で、ナスダック指数やSOX指数は続落した。

地政学リスクが高まる中ではAI・半導体関連株が「安全資産」(資金の逃避先)として選好された。地政学リスクが低下していると判断されれば、AI・半導体関連株から投資資金が流出し、幅広い銘柄に物色が広がることは自然なことである。
ただし、物色の広がりによって新たに選好されたセクターや銘柄が「安全資産」とみなされることはないだろう。景気や個人消費の強弱には変動リスクが伴う「普通の投資資産」である。むろん、AI・半導体関連株も本質的には「安全資産」とは言い難い面があるものの、重要なのは市場心理である。やや無理がある説明だったとしても、市場参加者がAI・半導体関連株が「安全資産」だとみなせば、逃避資金が集中する。

「安全資産」として選好されることと、「普通の投資資産」として選好されることの決定的な違いは、価格が上昇した際に利益確定の動きが出るかどうかだろう。「安全資産」として選好されている場合、その資産を持っておくことが安全だということなので、利益確定をしてポジションを落とすことがリスクとなる。そのため、相場は一方向に動きやすい。他方、「普通の投資資産」であれば、投資家はリスクを取っているという認識があるので、価格が上がったところではポジションを調整する動きも出てくるだろう。このように考えると、AI・半導体関連株への一極集中相場と比べると、現在の相場(物色が広がる動き)は大きな動きになりにくいだろう。