日本銀行による次の政策金利の引き上げ時期について、10月の金融政策決定会合と予想する日銀ウオッチャーが4割に増加した。最多は引き続き12月会合で5割を占めている。

ブルームバーグがエコノミスト52人を対象に16-22日に行った調査によると、追加利上げ時期は、12月が最多の50%、次いで10月が40%となった。6月の利上げ直後に実施した調査では、それぞれ52%、36%だった。想定される最も早いタイミングは、10月が50%、9月が37%となった。30、31日の会合は全員が政策維持を見込んでいる。

調査リポート:日銀7月会合は全員が政策金利の維持予想

日銀は前回の6月会合で政策金利を0.25ポイント引き上げ、31年ぶりの高水準となる1.0%とすることを決定。金融環境は引き続き緩和的として、今後も利上げを続けていく姿勢を維持した。次の利上げ時期とペースを探るため、今月の会合で議論する新たな経済・物価見通しや植田和男総裁の記者会見での発言に市場は注目している。

オールニッポン・アセットマネジメントの森田長太郎執行役員チーフストラテジストは、インフレ期待の上昇を踏まえ、「インフレ目標達成までの距離感について一歩進んで議論を始める可能性」を指摘。市場が見込む半年に1回の利上げに対し、「もう少し明示的にペースアップを主張する意見が出てきてもおかしくない」という。

日銀の利上げペースに関する質問には、82%が半年に1回程度と回答した。複数の関係者によると、日銀は利上げペースを市場見通しよりも加速させることに柔軟な姿勢だと、ブルームバーグは今回の調査終了後の22日夕に報じた。足元の円安進行の影響を含めて、物価が想定から上振れていくリスクに警戒感を強めているとしている。

日本銀行本店

足元の金利スワップ市場が織り込む日銀の1.25%への利上げ確率は、10月会合までが約36%、10月会合までが約85%、12月会合までは100%を超えている。

政策委員の投票行動も注目だ。9人の委員のうち高田創、田村直樹の2人の審議委員は2%の物価安定目標をすでに達成しているとしており、6月に続く連続利上げを提案することがあり得る。今月の会合で利上げを主張して政策維持に反対する委員が出ると思うかとの質問には、「はい」が53%、「いいえ」が43%となった。

一方、政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案に盛り込まれた金融政策への言及を巡り、日銀をけん制しているとの指摘が出るなど、高市早苗政権は利上げに慎重との見方が市場に根強い。高市政権が利上げ継続の障害になると思うかとの問いには、59%が「はい」と回答。「いいえ」は10%だった。

SBI新生銀行の森翔太郎シニアエコノミストは、「高市政権は、従来のペースに沿ったあと数回の追加利上げは容認する」と予想。しかし、政府の成長戦略や財政目標の方向性を踏まえれば、「従来よりも速いペースでの利上げには難色を示す可能性がある」とみている。

展望リポート

今会合では四半期ごとに公表している経済・物価情勢の展望(展望リポート)を議論し、最新の見通しを示す。複数の関係者によると、世界的なAI関連需要の拡大などを背景に、2026年度の経済成長率見通しの引き上げを検討する公算が大きい。消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の見通しに大きな変化はない見込みだ。

日銀ウオッチャーによる26年度の見通しは、中央値でコアCPIが前年比2.6%上昇、実質国内総生産(GDP)が0.7%増となっている。それぞれ前回4月の同リポートから下方修正、上方修正が想定されている。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは展望リポートについて、インフレ圧力の強まりを踏まえて、「緩和的な金融環境を維持することの妥当性が失われつつあることを示唆するものとなる」と見込んでいる。為替市場をけん制する必要性もあり、「総裁会見も含め、今回のコミュニケーションはタカ派的となる」とみる。

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