米セントルイス連銀のムサレム総裁は29日、金利について、景気を抑制し、物価上昇圧力を和らげるほど高い水準にまだないとの認識を示した。インフレ率を2%に戻すには追加利上げが必要になる可能性が高いとの見解を改めて示した。

ムサレム氏はロンドンで講演した後、今月の利上げ後も「金融政策は依然としてやや緩和的だと私は考えている」と述べた。

ムサレム氏は、金融当局者は供給ショックへの「教科書的」な対応を見直す必要があるかもしれないと指摘した。従来はその影響を一過性かつ一時的とみなしてきたが、供給ショックがより頻繁に起きる場合、インフレが広範に波及するリスクが高まるとみている。

「最近のように、大規模な負の供給ショックが繰り返し、重なり合って起きる場合、その論理は大きく弱まる」と述べた。「そうなると、インフレが広く波及し、当初のショックによる二次的、間接的な影響が生じる可能性」が高まるとした。

動画:セントルイス連銀のムサレム総裁は、経済データに応じて中銀がどのように金利を調整するかを明確に伝えることで、金融政策の波及を改善し、より良い経済成果につなげられると述べた

ムサレム氏は、インフレ率が5年以上にわたり 米連邦準備制度理事会(FRB)の目標を上回っているため、高インフレが定着するリスクが高まっていると述べた。ムサレム氏は今年の金融政策決定で投票権を持たない。

今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げが決定した後、FRB高官からは物価上昇を抑えるには一段の金融引き締めがなお必要との発言が相次いでいる。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日、年内にあと1回の利上げが適切となる可能性があると述べた。一方で、実施を急ぐ必要はないとの考えを示した。

先物市場の価格動向によると、投資家は10月のFOMC会合で0.25ポイントの利上げが決まる確率を約50%とみている。

今週発表されるインフレや個人消費など重要な経済指標は、景気の強まりを示すと予想されており、追加利上げを後押しする材料となる可能性がある。

情報発信の枠組み

ムサレム氏は情報発信をテーマとした講演で、FRBがどのように政策を決定するかが十分に理解されていないと、長期金利の変動が大きくなり、借り入れコストが上昇する可能性があると述べた。政策決定の考え方を明確にすることは、今後の金利の道筋を約束することとは異なるとした。

ムサレム氏は「政策決定をどのように、なぜ行うのかを説明しない中央銀行は、明確で合理的なアプローチに従っているのか、それとも単に裁量で政策を決めているのかを国民に推測させることになる」と述べた。

さらに「政策の枠組みで重要なのは、経済情勢に応じて政策がどう対応するかを明確にすることだ」と述べた。

FRBのウォーシュ議長は、FRBによるフォワードガイダンスの縮小を支持している。FOMC会合後に公表する声明を大幅に短くし、自身が想定する今後の金利の道筋に関する発言も控えている。一方、他の金融当局者からは、さまざまな経済情勢の変化に政策がどう対応すべきかについて、政策当局者が考えを示すことは引き続き重要だとの声が出ている。

原題:Fed’s Musalem Says Policy Remains Accommodative After Hike(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.