22日の原油先物は4日続伸。北海ブレント原油は一時1バレル=95ドルを上回り、今月の上昇率は約30%に拡大した。米国とイランが和平交渉実現への期待を後退させる見方を示し、世界的な原油の供給混乱への懸念が一段と強まった。

ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は、前日比2.49ドル(3%)高の86.83ドルで終了。北海ブレント先物9月限は3.06ドル(3.4%)高の94.07ドルで取引を終え、終値としては約1カ月ぶりの高値となった。

トランプ米大統領はイラン軍が「ホルムズ海峡で船舶に向けて発砲するたびに」、米国はテヘラン周辺も含めた「橋または発電所を一つ必ず爆撃し破壊する」と、自身のソーシャルメディアに投稿した。またイエメンの親イラン武装組織フーシ派が、紅海で船舶の航行を妨害した場合にも、米国は報復する考えを示した。紅海はホルムズ海峡を迂回する原油の輸送ルートとして、重要性を高めている。

イランは現在、米国との交渉が行われておらず、メッセージのやり取りだけが可能だと言明したと、メヘル通信が伝えた。中東ではここ数日、敵対行為が激化しており、ホルムズ海峡のオマーン沖ではタンカー3隻が攻撃を受けた。

米軍によるイラン攻撃に加え、フーシ派が紅海で船舶への攻撃を再開する姿勢を示したことや、カザフスタン産原油の大半を輸出するロシア黒海沿岸の拠点で混乱が生じたことを受け、石油供給の逼迫(ひっぱく)懸念が強まっている。

TDセキュリティーズの商品ストラテジスト、ライアン・マッケイ氏は「今回の緊張激化とイランによる供給絞り込みを受け、事態が長引くほど原油価格が一段と上昇するシナリオが再び現実味を帯びる」と指摘した。「商品投資顧問業者(CTA)はブレント原油が1バレル=93ドルを上回る水準で再び買いを入れている。ただ、ボラティリティーの高さが依然として大きな制約となっている」とも述べた。

米中央軍はホルムズ海峡における商船への脅威を低下させることを目的に、11日連続でイランへの攻撃を実施した。イランによる攻撃的な行動にもかかわらず、ホルムズ海峡は引き続き開放されているとしている。

バーンスタインはリポートで、中東情勢の混乱が長期化し、経済協力開発機構(OECD)加盟国の民間在庫がさらに減少すれば、北海ブレント原油は年末までに1バレル=100ドルを突破する可能性があると指摘した。ゴールドマン・サックス・グループも、原油価格が120ドルを超える可能性を示している。ただ、それは同行の基本シナリオではない。

インフラストラクチャー・キャピタル・マネジメントのジェイ・ハットフィールド最高経営責任者(CEO)は「ニュース次第だが、原油価格は80-90ドル台で推移するというのが当社の見方だ」と説明。「実際に紅海が封鎖されれば脅威となる。現時点ではまだそうなっていないが、その場合は100ドルを突破する可能性がある」と述べた。

原題:Oil Tops $95 as US and Iran Play Down Negotiation Prospects(抜粋)

Oil Climbs to Six-Week High After Iran Dismisses Peace Talks

(最新の情報や相場を加え、更新します)

--取材協力:Paul Burkhardt.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.