米資産運用会社ダブルラインは、短期ゾーンの米国債投資を進めている。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーシュ議長に対する市場の信認を背景に、金融当局者は年内、政策金利を据え置くことができるとの見方に基づく。

グローバル国債・新興国市場担当ポートフォリオマネジャーを務めるビル・キャンベル氏は、米国債利回りの高止まりに伴い市場金利が上昇しており、連邦準備制度は政策金利を据え置きしやすくなるとの見方を示した。ただインフレ鈍化が続くことが要件だという。

キャンベル氏は、ウォーシュ議長が就任後、タカ派的な発言を行ったことが、すでに連邦準備制度の信頼回復につながっているとの見方を示した。

「インフレを押し上げるような予期せぬ事態が起きない限り、その信認自体が引き締め効果を持つことになり、ウォーシュ議長は2026年に利上げを実施せずに済む可能性が高い」と述べた。キャンベル氏が率いるグローバル国債・新興国市場部門の運用資産は130億ドル(約2兆1100億円)。

中東での戦争を受けて連邦準備制度の金融政策見通しが大きくリプライシングされたことで、米国債利回りは2月末以降、上昇している。短期ゾーンの利回りは現在、政策金利の誘導目標(3.5-3.75%)を上回る水準で推移している。

米国債は20日、英国債の下落を受けて売られた。米国債利回りはさまざまな年限で3-5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。

高い利回りには、すでに利上げ期待が織り込まれており、一部の資産運用会社にとって魅力的な投資機会となっている。今後公表される経済指標がインフレ鈍化を示し、FRBが政策金利を据え置けば、債券相場は上昇する可能性が高い。

ウォーシュ議長は、インフレ率を長期目標の2%に戻すことの重要性を強調している。この目標は過去5年間、達成されていない。先週の議会証言でも、6月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想外に鈍化したからといって、物価安定という任務が達成されたわけではないとの認識を示した。

インフレ指標が市場予想を下回ったことを受け、月末に0.25ポイントの利上げが実施されるとの観測は米国債市場でほぼ消えた。一方で、9月と10月の利上げ観測はなお根強く、市場では年内に0.34ポイントの金融引き締めが織り込まれている。

キャンベル氏は、今月に入り米国とイランの軍事衝突再開を背景に原油価格が急騰したことについて、「連邦準備制度にとっては忍耐強く対応する理由になるだろう」と指摘した。そのうえで、「供給ショックによる影響はこの1カ月でほぼ解消した。連邦準備制度は供給ショックを金融引き締めで解決できるわけではない」との見方を示した。

原題:DoubleLine Says Higher Bond Yields to Help Fed Keep Rates Steady(抜粋)

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