(ブルームバーグ):米半導体メーカーのオンセミは、スマートデバイス向け半導体を手掛けるシナプティクスの買収条件を変更し、約57億ドル(約9010億円)を現金で支払うことで合意した。変更前は約70億ドル相当の株式で支払うとしていた。
1日の発表文によると、新たな合意ではオンセミが1株当たり123ドルを支払う。従来の買収額の方が大きかったものの、全額株式交換による取引だった。
発表文によれば、オンセミは第三者から「要請していない競合提案」を受けたことを受け、条件を変更した。競合する買い手の名前は明らかにしていない。オンセミは、買収が直ちに利益押し上げに寄与すると見込むほか、シナプティクス株主に「価値の確実性」をもたらすとしている。
シナプティクス株は時間外取引で16%上昇して123ドルとなり、買収価格と同水準になった。米アリゾナ州スコッツデールに本拠を置くオンセミの株価は約6%上昇した。
オンセミは、アレグロ・マイクロシステムズを69億ドルで買収する計画を撤回後、シナプティクスの買収に動いた。オンセミはシナプティクス買収を通じ、電力制御やセンシング事業からインテリジェントシステムへと事業領域を広げる方針を示している。
オンセミのハッサーン・エルコーリー最高経営責任者(CEO)は6月のインタビューで、AIが現実世界に進出し、自動車や産業システムがリアルタイムで感知、判断、行動できるようになる時代に備えていると述べた。
エルコーリー氏は当時、買収に伴って人員削減が行われるとの見通しを示し、「その大半は営業費用になる」との予想を示していた。
エルコーリー氏は1日、同社がこれまでに発表した2億ドルの重複コスト削減に加え、「株主価値を創出する追加的な機会」を特定したと説明。シナプティクスの生産の一部を引き継ぐことなどに伴うこうした追加のコスト削減効果は、買収完了後1年半以内に実現する見通しだと語った。
統合は、シナプティクスの株主による承認と規制当局の審査通過を前提に、2027年半ばまでに完了する見通しだ。
原題:Onsemi Revises Synaptics Deal to Pay $5.7 Billion in Cash (1)(抜粋)
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