世界でAIインフラの整備が加速するなか、中国ではAI関連産業が、ここ数年で最も厳しい局面の一つにある中国経済を支える柱に浮上している。

キャピタル・エコノミクスによると、電子・情報技術(IT)分野が4-6月(第2四半期)の前期比の経済成長分の半分以上を占めた。これに先立ち、中国国際金融(CICC)がまとめた推計では、AI関連輸出が1-4月の国内総生産(GDP)名目成長率を1.1ポイント押し上げた。2025年通年の寄与度の3倍近い水準だ。

キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンスプリチャード氏はリポートで「AIは中国の新たな成長エンジンとなり、今年後半から2027年にかけて経済の回復力を支える重要な要因になる可能性がある」と指摘した。一方で、「AI主導の成長だけでは中国経済全体が抱える課題を解決できず」、AI投資ブームが失速すれば経済が打撃を受ける恐れがあると分析した。

経済への影響が限定的だったAIは、短期間で経済をけん引する存在となった。米国ではデータセンター整備に数千億ドル規模の資金が流れ込み、中国製ハードウエアの需要と価格を押し上げている。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)によると、米国におけるAI投資の約4分の1は海外に流れ、アジア域内の貿易拡大につながっている。

さらに、中国の新興企業が相次いで発表した新しいAIモデルが市場に衝撃を与えるなか、AIは政策課題の前面に急浮上している。習近平国家主席はAIを巡る国際的なルールづくりを主導しようとしており、約30カ国が参加する新たな枠組みを通じて影響力の拡大を図ろうとしている。

AIの経済成長に及ぼす影響は、景気減速が続く中国にとって特に大きい。

4-6月(第2四半期)の実質GDP伸び率は市場予想を下回ったが、AI関連産業は建設業などとは対照的な動きを示した。建設業は住宅価格の急落以降、経済の重荷となっている。キャピタル・エコノミクスによると、電子・IT分野は4-6月期のGDP成長率を1.4ポイント押し上げた。前年同期比4.3%だった経済成長のおよそ3分の1を担った計算だ。

BEは、ハイテク産業と環境関連産業が今年のGDPで約2割を占め、不動産関連産業を初めて上回る見通しだとしている。

ただ、BEのエコノミスト、エリック・チュー氏は「AIと技術進歩による恩恵は、中国の長期的な成長鈍化を和らげる助けにはなるが、流れを反転させるほどではない可能性が高い。労働力人口の減少や根強い過当競争、脱グローバル化といった逆風が続く」と分析している。

原題:AI Is ‘New Engine’ Keeping Chinese Economy From Harder Landing(抜粋)

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