核融合分野への世界的な投資額が、過去1年で69%急増し、過去最高の45億ドル(約7300億円)に達した。将来的な商用発電実現に向け、業界が確かな軌道に乗っていると投資家が信頼を深める様子をうかがわせる。

核融合産業協会が13日に公表した報告書によれば、2021年の集計開始以降、核融合開発会社が調達した資金額は142億ドルに上る。24時間利用可能なクリーンエネルギーを求めるAIデータセンターの急増が米国の電力需要は押し上げており、調査対象となった企業の約70%が40年までに商用発電開始を見込んでいると分かった。

ソフトバンクグループ傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)」が出資する米核融合スタートアップ、ヘリオン・エナジー、米マサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンオフしたコモンウェルス・フュージョン・システムズ、ローレンスリバモア国立研究所で実証されたレーザー核融合を基盤とするイナーシャ・エンタープライゼス、ドイツ・ミュンヘンに本社を置くプロキシマ・フュージョンの4社が、過去1年の投資額の半分以上を占めた。

気体に高エネルギーを加えることで、原子や分子から電子が外部に飛び出し、電子とイオンが混在するプラズマ状態が生じる。固体・液体・気体に次ぐ「第4の状態」とされ、原子核が自由に動き回って衝突し、核融合が起きるには、プラズマの生成が不可欠だ。

ローレンスリバモア研究所は22年12月、レーザー核融合実験で初めて投入エネルギーを上回る出力を達成したと発表した。重水素燃料などを詰めたペレット(小球)に世界最大級の装置から大出力レーザーを照射して爆縮させ、超高温・超高密度のプラズマを生成、核融合を起こす実験を通じて、「エネルギー純増」を実現した。

温室効果ガスを発生しない商用核融合発電の実現に向け、技術的ブレークスルー(飛躍的な進展)と受け止められたが、実験室の外で再現されておらず、商用発電の実現にはなお大きな科学的・技術的課題が残されている。

原題:Global Investment in Fusion Companies Surges 69% to $4.5 Billion(抜粋)

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