米連邦最高裁が違法と判断した関税引き上げを巡る大規模な還付金支払いにより、米連邦政府の財政赤字は今年度に入って初めて拡大した。

米財務省が13日公表したデータによると、2026会計年度の最初の9カ月に当たる25年10月-26年6月の財政赤字は1兆3700億ドル(約223兆円)となり、前年同期比で2%拡大した。6月単月の赤字は1200億ドルだった。

それまでの数カ月は、歳入増などを背景に赤字幅が縮小していた。堅調な雇用と経済成長を受けた税収増に加え、トランプ米大統領の関税引き上げにより関税収入も増えていたためだ。しかし最高裁は2月、同氏の関税の大半を退け、ここ数週間で還付が急増している。

財務省のデータによると、6月の関税収入は純ベースで256億ドル減少した。5月は4200万ドルの減少だった。一方、還付額は6月に492億ドルと、5月の約220億ドルから増加。5-6月の合計で、政府が返還義務を負うと推計される1660億ドルの4割強に達した。

エバーコアISIのマシュー・アクス氏らアナリストは10日のリポートで、「還付プログラムは今年、マクロ経済、財政、市場に影響を及ぼす規模に拡大した」と指摘した。ただ、トランプ政権が新たな関税の壁を構築する過程にあるため、還付金支払いは「赤字の一時的な増加」を意味すると分析した。

進行中の取り組みの一つとして、米通商代表部(USTR)は強制労働禁止措置に違反した疑いで約60カ国を調査している。調査結果は関税引き上げの根拠として利用される可能性がある。エバーコアISIは、関税収入がいずれ年3000億ドルを超えるとみている。

当面の間、財政赤字の拡大は、米国の借り入れ規模が突出しているという現実を債券投資家に改めて意識させるリスクがある。13日公表の数字では、今年度これまでの歳出は3%増加した。社会保障、メディケア、メディケイド、債務の利払いに伴う歳出増が押し上げた。

原題:Tariff Refunds Trigger Widening in US Budget Gap for 2026 (1)(抜粋)

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