(ブルームバーグ):米マイクロソフトの温室効果ガス排出量が、2025年に前年比25%増加した。AI向けデータセンターへの巨額投資が続く中、排出量削減目標の達成が一段と難しくなっている。
同社が9日に公表した年次サステナビリティ報告書によると、25年の排出量は二酸化炭素(CO2)換算で2000万トンと、前年の1600万トンから増加した。データセンターの新設に加え、以前発表した再生可能エネルギー証書(REC)の一部購入停止が要因だという。
ブラッド・スミス社長とメラニー・ナカガワ最高サステナビリティ責任者(CSO)は報告書で、「AIインフラの整備がエネルギーや水、土地、資材の需要を押し上げている一方で、サステナビリティに向けた解決策は、その需要に見合うスピードで拡大していない」と指摘。その上で、こうしたジレンマは現実のものだが、同時に前進につながるものでもあるとの認識を示した。
同社は6年前、2030年までに自社の排出量を上回る量のCO2を大気中から除去する目標を掲げた。データセンターの効率化や再生可能エネルギーへの投資拡大、炭素除去技術の進展を背景に、実現可能な目標と考えられていた。
しかし、同社は環境目標と事業上の目標の両立という課題に直面した。AI時代の主要プレーヤーを目指すマイクロソフトは、AIモデルを支える新たな大規模・高消費電力型データセンターの建設ブームを後押しした。その結果、電力網への負荷が高まり、電力会社は化石燃料による新たな発電設備の建設を進めている。
その一例として、同社は6月、シェブロンと契約を結び、米テキサス州西部で建設予定の大規模天然ガス火力発電所から電力を調達し、新たなデータセンター複合施設の電源として利用する計画を明らかにした。
マイクロソフトは排出量を相殺する取り組みも見直した。サステナビリティ関連の提携先に対し、新たなカーボンクレジット契約から撤退する方針を伝えた。また、データセンターの時間ごとの電力使用量を再生可能エネルギーで賄う目標についても、棚上げを検討した。米連邦政府が環境規制を緩和し、サステナビリティ施策を縮小する中、他企業でも同様に環境目標を見直す動きが広がっている。
原題:Microsoft’s Emissions Surged 25% in 2025 During Data Center Boom(抜粋)
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