日本ペイントホールディングスはこの1カ月の間に、オランダの同業アクゾノーベルの装飾用塗料事業に対し複数回の買収提案を行った。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者によると、日本ペイントHDは3週間前に最初の提案を行い、先週には同事業の価値を75億ユーロ(約1兆4000億円)と評価する案を提示した。関係者は公に話す権限がないとして匿名を条件に語った。

仮に提示した企業価値に相当する額で買収が実現した場合、2026年の日本企業による海外企業買収としては最大規模となる。

関係者によれば、アクゾ経営陣はこの事業を2026年のEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)の約12倍で評価する日本ペイントHDの提案に応じておらず、株主にも提案内容を伝えていないという。

最終的な決定は下されておらず、日本ペイントHDが買収を断念する可能性もあると、関係者は述べた。

日本ペイントHDとアクゾの担当者はコメント要請に応じなかった。

今回の提案は、日本ペイントHDと米シャーウィン・ウィリアムズがアクゾ全体の買収を目指した共同提案を終了してからわずか1カ月後のこととなる。両社は全額現金による2度の買収提案を拒否されていた。アクゾは、この共同提案は規制当局の承認を得るのが困難であり、昨年11月に発表したアクサルタ・コーティング・システムズとの統合契約の方が優れているとの見解を示していた。

関係者によると、日本ペイントHDの新たな提案が成立すれば、「デュラックス」ブランドを世界規模で再統合できるほか、装飾用塗料事業の売上高の約3分の2を欧州が占めることから、欧州市場での事業基盤を強化することにもつながるという。

アクゾは昨年の決算説明会で、東南アジアの装飾用塗料事業の一部売却を検討していると明らかにしたが、関係者によれば、日本ペイントHDは事業全体の買収を目指しており、一部だけを対象とする提案を行う可能性は低いという。

アクゾとアクサルタの統合が実現すれば、企業価値約250億ドルの塗料メーカーが誕生する。統合後の新会社はアクゾノーベルが55%を保有し、株式上場先もアムステルダムからニューヨークに移す計画だ。この取引にはなお米連邦取引委員会(FTC)の承認が必要で、5月の届け出によると、FTCは両社に追加情報の提出を求めている。

原題:Nippon Paint Said to Offer $8.6 Billion for Akzo Nobel Paint Arm(抜粋)

(3段落に情報を追加して更新します)

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