三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の時価総額が13日、国内首位に躍り出た。都市銀行の合従連衡を経て現在の3メガバンクグループ体制となってから、銀行がトップになるのは初めてだ。

MUFGの同日の株価は一時前週末比3%高の3564円まで上昇し、上場来高値を更新した。2.3%高の3541円で取引を終え、ブルームバーグのデータによると終値ベースの時価総額は約42兆円だった。トヨタ自動車の約41兆円やキオクシアホールディングスの約36兆7000億円を上回った。

1990年代初めのバブル経済の崩壊後に長らく続いた超低金利時代に銀行は本業の貸出業務で厳しい経営を強いられ、時価総額も伸び悩んだ。2024年3月の日本銀行によるマイナス金利解除を契機に到来した金利のある世界によって、株式市場でも銀行業に再び脚光が当たり始めた。

日銀の利上げによって政策金利が上昇すると、銀行は預金と貸し出し金利の差である利ざやを取りやすく、収益増が期待できる。MUFGは金利が0.25%上昇するごとに資金利益が将来的に年1800億円押し上げられるとの試算を公表している。

ブルームバーグが6月の利上げ後に実施した調査では、日銀担当のエコノミスト44人のうち40人が年内の再利上げを予測。物価研究の第一人者、渡辺努東京大学名誉教授は、政策金利の最終到達点(ターミナルレート)は2%超もあり得るとの見解を示した。

野村証券の高宮健アナリストらはリポートで、次回の日銀利上げタイミングを今年の冬ごろと想定しているとした。その上で「その後も米経済・市場などに変調がなければ、市場で織り込まれている1.50-1.75%程度のターミナルレートに向けて緩やかな利上げサイクルが継続するだろう」とし、主要銀行グループの株価は「割安感を残している」と分析した。

この日は三井住友フィナンシャルグループも一時3.2%高の7029円まで上昇し、上場来高値を更新した。みずほフィナンシャルグループの株価も同2.8%高の8541円まで上昇する場面もあった。

MUFGにとって時価総額の拡大は悲願でもある。半沢淳一社長は今月のブルームバーグとのインタビューで、時価総額で世界の銀行トップ5を目指すと語った。トップ5入りは05年10月に発足した際、目標に掲げた。「20年前に目指すと言ったものを実現したいというのが自分の思いだ」と力を込めた。

一方、国内では首位に躍り出たとはいえ、欧米の銀行とは依然として差がある。6日時点のデータで時価総額の世界5位はHSBCホールディングスの約54兆円で、MUFGとは10兆円以上の開きがある。世界銀行トップ5の常連メンバーは米銀だが、米国の政策金利は3.5-3.75%と高い。この環境差を乗り越えるため、半沢氏は引き続き事業構造改革などを進める考えを示した。

(時価総額の推移のグラフを追加します)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.