トランプ米大統領は、自身が優先課題としてきた投票時の市民権証明を義務付ける法案の承認を議会が見送ったことへの抗議として、超党派で可決された住宅関連法案に署名しない考えを示した。

住宅関連法案は、上下両院で圧倒的多数の賛成を得て可決済みで、トランプ大統領が拒否権を行使しなければ11日に成立する。匿名を条件に取材に応じたホワイトハウス当局者によると、大統領は拒否権を行使せず、法案は成立する見通しだ。

トランプ大統領は10日、ソーシャルメディアに「議会で完全に承認され、ホワイトハウスに送付された住宅法案には署名しない。これは、米上院が『セーブ・アメリカ法案』を可決できないことへの抗議だ」と投稿した。

トランプ大統領は6月、住宅関連法案の署名式を突然取りやめ、自身の承認を保留することで、上院共和党に対し、院内規則を変更して有権者に市民権証明を義務付ける法案を可決するよう圧力を強めた。

大統領が法案への署名を確約していなかったものの、下院共和党は6月29日に法案を大統領へ送付した。これにより、日曜日を除く10日以内に署名するか拒否権を行使するかの期限が設定され、いずれもしなければ11日に成立する。

住宅供給

住宅関連法案には、大規模な機関投資家による戸建て住宅の保有を抑制する措置のほか、プレハブ住宅に関する規制の簡素化や、住宅市場への供給拡大を図るため、建設を阻む障壁の撤廃を地方自治体に促す施策が盛り込まれている。

住宅供給の拡大には時間を要するため、業界関係者は今回の法案による短期的な効果は限定的になるとみている。住宅価格は新型コロナウイルス禍後に急騰し、近年は住宅ローン金利が2倍超に上昇した後も高止まりが続いている。

法案で最も重要かつ議論を呼んでいる措置の1つは、350戸超の住宅を保有する機関投資家が、新たな戸建て住宅の取得を禁止する内容だ。上院銀行委員会のスコット委員長は、この措置の盛り込みがホワイトハウスの支持を得る上で極めて重要だったとしている。

一方、下院は大規模投資家に対し、賃貸用として建設した住宅を7年以内に売却するよう義務付ける条項を法案から削除した。住宅分野の専門家や関係団体は、この要件が新たな住宅供給の数少ない手段の1つを制限し、年間最大10万戸の新築住宅建設を妨げる可能性があると反発し、論争の的となっていた。

原題:Trump Won’t Sign Housing Bill But Will Allow It to Become Law(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.