(ブルームバーグ):外国為替市場ではここ数カ月、値動きが比較的落ち着いていたが、大きな変動に備える動きが出始めている。金融機関からは、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策見通しを巡る変化や地政学的な緊張の高まりが、市場を揺さぶる可能性があるとの指摘が聞かれる。
今後1カ月の主要通貨の予想ボラティリティーに関する指標は、ここ数週間にわずかに上昇した。ただ、6月に付けた5年ぶりの低水準をわずかに上回る程度で、今年の平均をなお大きく下回っている。

同様に、ユーロ・ドルの1年物インプライド・ボラティリティー(IV)は、2022年の低水準から小幅に上昇した。一方で、ユーロ・スイスフランの1カ月物IVは、依然としてこの10年余りの最低水準にとどまっている。

しかし、市場を取り巻く環境は決して落ち着いているわけではない。ウォーシュ新議長の下のFRBは政策金利の見通しについて、明確な道筋を示す姿勢を後退させており、市場は経済データの発表ごとに変動しやすい状況となっている。
米国とイランの衝突は再び激しくなり、脆弱(ぜいじゃく)な停戦状態が崩れるリスクも高まっている。
バークレイズのストラテジストらは、現在の市場環境と低いボラティリティーとの乖離(かいり)は長く続かないとみる。マレク・ラチコ氏率いるチームは、同行のモデルでは為替市場のボラティリティーが上昇する可能性が示唆されていると指摘。ユーロ・ドルの値動きが年後半に大きくなった場合に利益を得られる金融商品を購入するよう推奨している。
「為替のボラティリティーが低いのは、マクロ経済の不確実性が低いからではなく、市場参加者の確信度合いが低いためだ」とリポートで指摘した。
短期売買の投資家や、金融機関のインターバンク・トレーディング・デスクも同様の見方を強めているようだ。事情に詳しい複数の外為トレーダーによれば、ヘッジコストがリスクに比べて低いことから、レバレッジを活用する投資家の間では、ボラティリティーが上昇する局面で利益を得られる取引を検討する動きが広がっている。トレーダーらは公に話す権限がないとして、匿名を条件に語った。
既にいくつか変化の兆しは見られている。ユーロとポンドの短期オプションのヘッジコストは今週、底打ちして上昇に転じた。
14日に発表される6月の米消費者物価指数(CPI)をオプション市場が織り込み始めたことが背景にある。FRBが従来ほどガイダンスを示さなくなったため、個々の経済指標が市場に与える影響が大きくなっていることが示唆される。
6月CPI統計は金融市場での政策金利見通しを大きく動かす可能性がある。短期金融市場では現在、年内少なくとも0.25ポイント刻みで1回の利上げが織り込まれている。
原題:Traders Hedge for FX Volatility Return as Fed Uncertainty Builds(抜粋)
--取材協力:Greg Ritchie、Naomi Tajitsu.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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