・2026年6月の日本株式は、米国とイランとの戦闘終結合意や原油価格の下落などを背景に上昇し、日経平均株価は7万2,300円台をつけて3カ月連続で史上最高値を更新した。
・TOPIXも2カ月連続で史上最高値を更新したものの、月間では1%未満の上昇にとどまるなど、上値がやや重かった。
・日本企業の業績は堅調であり、今後、資源高の一服も追い風となるが、日本株式は割安感に乏しく、日米の金融政策や金利の動向には注意が必要である。
・さらに、AIインフラに対する過剰投資懸念から関連銘柄が大きく下落する可能性もあり、日経平均株価については引き続き変動の激しい展開が見込まれる。

日経平均は3カ月連続で最高値を更新
2026年6月の日本株式を振り返ると、上旬は前月の勢いを引き継ぐ形で始まり、日経平均株価は3日に6万8,400円台まで上昇した。その後は中東情勢の不透明感や米半導体株安などが嫌気され、8日には6万4,000円目前まで下落する展開となった。
中旬に入ると一転し、米国とイランが戦闘終結に合意し、さらに原油価格が下落したことから、日経平均株価は急伸した。11日から下旬に差し掛かる22日まで8日続伸し、同日には7万2,300円台をつけた。
それから月末にかけては24日に再び7万2,300円台をつけ史上最高値をわずかに更新した。その一方で、これまでけん引してきたAI・半導体関連銘柄が利益確定売りに押され7万円を下回る場面も見られたものの、7万円台で6月を終えた。
業種別には強弱入り混じる
このように、日経平均株価は6月に3,732円上昇し、3カ月連続で史上最高値を更新した。TOPIXも6月に史上最高値を更新したが、月間の上昇率は1%未満であり、日経平均株価の5%台と比べて小幅であった。6月もAI・半導体関連銘柄によって日経平均株価こそ大きく上昇したが、日本株式全体では強弱入り混じっていた。
東証33業種別に見ても6月の上昇率が日経平均株価を上回ったのが「電気機器」「銀行業」「サービス業」の3業種に限られていた。その一方で33業種中15業種は下落し、特に「卸売業」「情報・通信業」「鉱業」「石油・石炭製品」「輸送用機器」の5業種は下落率が5%以上であった。
業績拡大に伴う緩やかな上昇を期待
日本企業の業績は堅調であり、懸念されていた中東情勢が快方に向かいつつあり、それに伴い資源高が収まってきていることも今後の追い風となる。7月中旬以降に本格化する企業の決算発表次第では、株価が上昇することが期待できるだろう。
ただし、TOPIXは6月も上値がやや重かったが、その背景にはやはり割安感が乏しいことがある。そのため、上昇しても日本株式全体で見ると緩やかになることが見込まれる。また、高値にあるがゆえに悪材料にも注意したい。
日米の金融政策、特に米国でより利上げ観測が強まると、株価の重しになる可能性がある。7月下旬には米FOMCや日銀の金融政策決定会合が控えており、その動向が注目される。
さらに、昨年秋以降にくすぶり続けているAIインフラに対する過剰投資懸念が一段と強まると、AI・半導体関連銘柄は足元の業績が好調でも大きく下落するかもしれない。7月下旬から8月上旬にかけて本格化する米大手ハイテク企業の決算が分岐点になる可能性がある。
そのため、AI・半導体関連銘柄の影響が大きい日経平均株価については引き続き変動の激しい展開となるだろう。
(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 金融研究部 上席研究員 前山 裕亮 )