・AI時代はスキルを習得・制御する「メタスキル」が最重要

・人間はAIと仕事を取り合わず、独自の強みを活かすポジションへ

・均質化する世界で、人間に残る価値は「欲望とノイズの注入」

AIの進化により「ホワイトワーカーの仕事が奪われるのではないか」「新卒の仕事がなくなる」といった不安が社会に広がっています。がむしゃらに頑張るだけの努力の価値が変わりつつある今、私たちはどのような戦略を持って生きていけばよいのでしょうか。

TBS CROSS DIG with Bloombergの番組「1on1 Tech」では、生成AI活用の第一人者であるTHE GUILD CEOの深津貴之氏をゲストに迎え、これからの時代に求められる「メタスキル」の本質と、AIを使いこなすための戦略について深掘りしました。

メタスキルの定義「プレーの1つ外側の部分でゲームを制するためのスキル」

AI時代において、単に個別のAIツールを使いこなすこと以上に重要なのが「メタスキル」です。深津氏は、通常のスキルとメタスキルの違いについて次のように説明します。

「例えば、普通のスキルはパソコンの操作や経理、マーケティング理論などです。対してメタスキルとは、その1つ外側にある枠組みを指します。具体的には、リサーチや勉強の仕方、ペースをコントロールする技術など、スキルを習得・制御するための技術です」

メタスキルを、パソコン操作やマーケティングといった特定の業務スキルとは一線を画す、より上位の概念として定義しています。そしてこれを「みんながプレーしている1つ外側の部分でゲームを制するためのスキル」と表現し、スキルの習得・運用を最適化する重要性を訴えました。

これは、英国に拠点を置くGoogle DeepMindのCEOであるデミス・ハサビス氏が提唱する「Learning how to learn(学び方を学べ)」という概念にも共通します。深津氏はこれをゲームに例え、いきなり剣術や魔法のスキルを磨くよりも、「経験値取得量1.5倍」や「移動速度20%アップ」のような、全体や汎用の生産性に寄与する「認知系のスキル」を最初におさえるべきだと語ります。

「1個のスキルをじっくり育てて、それさえあれば一生安泰っていうのがどんどんと難しくなってくる」

ITやAIが進む現代は、過去に盤石だったルールがすぐに変わるパラダイムシフトの連続です。だからこそ、変化に対応して新しい正解を見つけるためのメタスキルが必要不可欠になるのです。