(ブルームバーグ):ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレ率を目標の2%へ戻すことにどれほど強い決意を持っているか、またリスク資産に及ぶ影響について、投資家は過小評価していると、シタデル・セキュリティーズが指摘した。
同社で欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域の債券セールス責任者を務めるノーシャド・シャー氏は顧客向けリポートで、基調的なインフレ圧力は依然として高水準にあるとして、最近の原油価格の下落は米金融当局による利上げへの根拠を大きく揺るがすものではないと指摘した。
同時に、AIを背景とした株高は一段と脆弱(ぜいじゃく)になりつつあると述べた。計算能力の価格が低下しているだけでなく、AIサービスへの支出も減少している。投資に見合うリターンが得られるかどうかを見極める動きが強まっている。
シャー氏によると、新型コロナウイルス禍後には経済の減速や相場の下落が起こると、FRBが支援に動くとの見方が投資家の間で広がっていたが、ウォーシュ議長はインフレの高止まりがそうした対応の制約となっていることを示唆している。

同氏は「状況は変わりつつあるかもしれない」と記した。
その結果、政策当局が市場の救済に乗り出す可能性は低下しており、金融緩和によって市場の下値を支えるという「FRBプット」への長年の信頼からの転換を意味する。
さらに同氏は「次の段階は、FRBが利上げを1回行うか2回行うかという問題だけではない」と記し、「問われるのは、投資家が原油価格の下落やリスク資産の軟調局面のたびに、『政策プット』を期待する発想から脱却できるかどうかだ」と指摘した。
シャー氏は経済見通しに加え、AIが政治問題としての性格を強めつつあるとも述べた。投資家はAIを生産性向上や利益成長の源泉と捉える一方、労働者の間では雇用の置き換えや監視、企業が従業員の組織的知識を収益化することへの懸念が強まっている。その結果、規制強化や導入の遅れ、コンプライアンスコストの増加につながるリスクが高まり、技術そのものが進歩を続けたとしても、AI関連企業のバリュエーションの重しとなる可能性がある。
「AIは企業だけが利益を得て、労働者だけが不利益を被る不公平な仕組みだと人々が考えるようになれば、政治情勢は急速に変化するだろう」と同氏は記した。
原題:Citadel Securities Warns of ‘Shifting Landscape’ Under Warsh Fed
(抜粋)
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