(ブルームバーグ):米スペースXによる過去最大の新規株式公開(IPO)とグーグル親会社アルファベットによる大型増資を受けて、ウォール街は高揚感に包まれており、2026年下期のディール案件に対する期待が高まっている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、米国のIPOと株式売却による調達額は、6月26日時点で累計2510億ドル(約40兆6500億円)に達し、2021年の新株発行ラッシュ時に記録した上半期ベースの過去最高額を上回った。数字には特別買収目的会社(SPAC)などその他の投資ビークルは含まれていない。
今後も案件は相次ぐ見通しだ。向こう数週間にわたり複数のIPOが予定されているほか、AIスタートアップのアンソロピックが10月にも大型IPOを実施する可能性がある。データセンターなどインフラ整備資金を手当てするため、AIハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)は今後も投資家から資金を募るとみられ、転換社債など他の資金調達手法も勢いが続きそうだ。

スペースXによる862億ドルのIPOは史上最大となったが、それだけが今回の記録更新の原動力ではない。
ゴールドマン・サックス・グループの米州株式資本市場(ECM)共同責任者、ウィル・コノリー氏は、「スペースXのIPOを除いても市場は急速に拡大している」と話す。
AIインフラ整備に向けた株式資金への需要が高まる一方、堅調な株価と旺盛な投資意欲が資金需要を支えており、資本市場で構造的な転換が起きているという。
「エコシステム全体と、さまざまな資金調達手法で活発な動きが見られる。こうした状況は2021年以来、初めてと言える」と、同氏はインタビューで語った。
スペースXのような大型案件は、新規上場企業の好調な株価パフォーマンスを後押ししている。イーロン・マスク氏率いるスペースXの株価は変動が大きいものの、依然としてIPO価格を大きく上回っている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、SPACを除く米国の新規上場企業の加重平均リターンは16%近くに達しており、今年のS&P500種株価指数の約2倍に当たる。背景には、AI関連投資に伴う数兆ドル規模の支出の恩恵を受けるとみられる企業のIPOに投資マネーが殺到していることがある。
ウォール街では、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げへの警戒が根強い。さらに11月の中間選挙も、資金調達案件の実施時期を左右する重要な要因となる見通しだ。
モルガン・スタンレーのグローバル株式資本市場(ECM)共同責任者、アルノー・ブランシャール氏は、「夏場も高水準の案件が続く可能性が高く、7-9月期(第3四半期)は非常に忙しくなると見込んで準備を進めている」と話す。
その上で「10-12月期(第4四半期)は通常、市場環境が良好な時期だが、中間選挙を巡るボラティリティーが高まる可能性がある。そのため、年後半の案件は第3四半期に前倒しで実施される公算が大きい」と語った。
原題:スペースX Pushes US Share Sales to Record $251 Billion at Midyear(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.