(ブルームバーグ):24日の米株式市場で、S&P500種株価指数は小幅ながら3日続落。半導体メーカー株が下落して指数を押し下げた。
通常取引終了後にメモリー半導体大手、米マイクロン・テクノロジーが発表した業績見通しは市場予想を上回り、同社株価は時間外で大きく上昇した。
S&P500種は午後の早い時間までプラス圏を維持していたが、その後は軟調に推移した。指数構成銘柄のうち300超は上昇したが、半導体株への売りが重しとなった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.2%安で引けた。
ただ、マイクロンが示した6-8月(第4四半期)の売上高見通しは市場予想を上回り、同社株価は時間外で一時10%余り急伸した。
AI銘柄が主導する株式相場の上昇が持続可能かどうかを巡り、市場の警戒感が急速に高まる中、マイクロンの業績と見通しに注目が集まっていた。同社の株価は年初来で約4倍となった。
ネーションワイドのマーク・ハケット氏は、今週起きているテクノロジー株主導の下げは市場に不安を与えたとした上で、ファンダメンタルズの悪化を警告するものというより、セクターローテーションやポジションの適正化によって引き起こされたとの見方を示した。
RGAインベストメンツのリック・ガードナー氏は「株式相場が急ピッチで大幅に上昇した場合、その後はたいてい調整が入る」と指摘。
「テクノロジー株は下げた局面で購入する方が望ましい。今回の下落は、この分野へのエクスポージャーが十分でない投資家にとって買いの好機となり得る。テクノロジー分野のファンダメンタルズは依然として堅調だ」と述べた。
ドゥブラフコ・ラコスブハス氏らJPモルガン・チェースのストラテジストは米国株について、最も強気な「青天井」シナリオの実現に近づきつつあるとの見方を示した。予想を上回る企業利益の伸びに加え、イラン戦争終結に向けた和平合意の可能性が主な追い風になるとみている。
同氏らはS&P500種の年末目標を従来の7600から7800に引き上げた。
25日には5月の米個人消費支出(PCE)価格指数が発表される。前月比、前年同月比ともに伸びが加速すると、市場で予想されている。
米国債
米国債相場は全ての年限で上昇(利回り低下)。原油相場が続落し、イラン戦争に伴う値上がり分の大半が失われたことで、インフレ懸念が和らいだ。市場で織り込まれていた米利上げ観測は後退した。
長期的なインフレの影響を受けやすい30年債の利回りは一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して、約4.85%を付けた。これは4月8日以来の低水準。
金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りは一時6bp余り低下し、4.13%となった。22日には4.23%を上回り、1年4カ月ぶりの高水準に達していた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が先週の会合で、利上げに前向きな姿勢を示したことが背景にある。
シティグループの金利ストラテジスト、ラガブ・ダトラ氏は「インフレ率は今後大幅に低下するだろう」とし、連邦準備制度理事会(FRB)が2027年に入ってしばらく政策金利を据え置いたとしても、「現在の金利水準はなお高過ぎるようにみえる」と述べた。
CIBCキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、マイケル・クロハティー氏は、利回り低下が「原油価格の下落で引き起こされた」と指摘した。
この日実施された5年債入札は、最高落札利回りが4.200%と、入札前取引(WI)水準の4.193%を上回った。
外為
ニューヨーク外国為替市場では、ドル指数が3日続伸し、7カ月ぶりの高値に達した。原油は下落したが、FRBの金融政策がタカ派的になるとの見方がドルを支えた。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%上昇した。
円は対ドルで小幅安。じりじりと下げ幅を拡大し、一時はニューヨーク前日終値比0.2%安の1ドル=161円84銭まで下げた。
ポンドは対ドルで一時0.5%下落し、1ポンド=1.3140ドルと、2025年11月以来の安値を付けた。
原油
原油相場は続落し、イラン戦争開始以降の上昇分をほぼ全て失った。米国とイランが戦争終結に向けて前進している様子が見られ、ホルムズ海峡を通過するタンカーも増加している。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は1バレル=70ドル近辺で終了。米国とイスラエルによる対イラン戦争開始直前の2月下旬以来の安値となった。北海ブレント先物は74ドルを下回って終え、開戦以来の安値となった。
ヘッジファンドのインフラ・キャピタル・アドバイザーズの幹部ジェイ・ハットフィールド氏は「ホルムズ海峡の航行が維持され、市場の関心がイランを含む石油輸出国機構(OPEC)の増産余地に移る中、原油価格は急落している」と指摘。「生産拡大と在庫の積み上がりが進むことで、WTIは今後2カ月以内に60ドルを下回る可能性があると予想している」と語った。
船舶はトランスポンダ(船舶位置情報発信装置)信号を発信したまま海峡を通航しており、船主の間で安全な航行に対する信頼が高まっていることを示唆している。また、国際海事機関(IMO)は、ペルシャ湾から数百隻の船舶が安全に湾外に出ることを認める保証を得たと明らかにした。
米国とイランの主張には食い違いがあり、交渉が長期化する可能性もあるが、いずれも戦争を終わらせるための協議で初期的な進展があったとしている。過去数週間にホルムズ海峡から多くの原油が輸送されたことを示す兆候もある。国際エネルギー機関(IEA)の推計によると、アラブ首長国連邦(UAE)の原油輸出量は戦争前の水準の85%近くまで回復した。
原油市場で注目される需給指標がこの日、2月以来初めて弱気シグナルを示した。ブレント原油の期近2限月のスプレッドが小幅なコンタンゴ(順ざや)となった。コンタンゴは通常、短期的な供給過剰を示唆する。
TP ICAPのアナリスト、スコット・シェルトン氏は「アジアや欧州の現物市場は、多くの人が予想していた以上に弱い。ブレント原油もコンタンゴに転じつつある」と指摘。「原油の買い需要が後退することで、価格は一段と下落しやすくなる」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比2.87ドル(3.9%)安の1バレル=70.34ドルで終了。北海ブレント先物8月限は3.34ドル(4.3%)下落の73.74ドルで取引を終えた。
金
金スポット相場は続落し、1オンス=4000ドルを割り込んだ。4000ドルを下回るのは昨年11月以来。 金利の先高観とドル高進行を背景に、 3年間にわたる金相場の上昇局面は勢いを失っている。
銀価格も下げて、昨年12月以来の1オンス=60ドル割れとなった。1月に付けたピークからは50%超の値下がり。一方、ドル指数は今週に入って1%近く上昇しており、ドル建ての金は他通貨ベースの投資家にとって割高になっている。
TDセキュリティーズのシニア商品ストラテジスト、ライアン・マッケイ氏は、金価格の下落局面では値ごろ感から買いが入り、金相場は下落分の一部を回復したと指摘。「投資家はまだ4000ドル割れを決定的なものとは受け止めていないようだ」と述べた。ただ、米利下げ観測が後退する中、トレンド追随型の商品投資顧問業者(CTA)は金などの貴金属に対して弱気な見方を続けていると述べた。
金価格を圧迫した最大の要因は、米国とイランの戦争勃発だった。エネルギー価格の上昇でインフレ圧力が強まり、利上げ観測が高まった。利息を生まない金は、米国債など利回りの得られる資産に対して相対的な魅力を失った。
INGグループのコモディティ戦略担当、エワ・マンセイ氏は24日のリポートで、「最近の金価格下落の主な要因は、金利見通しが大幅に見直されたことだ」と指摘した。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時36分現在、前日比130.92ドル(3.2%)安の3986.27ドル。一時は3.8%下げる場面もあった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は140.60ドル(3.4%)安の4008.80ドルで引けた。
欧州
24日の欧州債は上昇。原油が一段安となり、原油価格の高止まりに対する懸念が緩和したほか、金融引き締めの必要性も低下した。
ドイツ10年債利回りは一時6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して2.86%と、3月以来の低水準を付けた。ブレント原油価格は2月以来の安値に下落。米国とイランの紛争開始前の水準まで後退した。
スワップ市場の動向によると、欧州中央銀行(ECB)は年末までに29bpの利上げが想定されている。前日より2bp縮小した。ECBのシュナーベル理事は物価上昇圧力を抑えるためには、依然として追加利上げが必要になる可能性が高いとの考えを示した。
短期金融市場ではイングランド銀行(英中央銀行)の利上げ観測が後退し、年末までに0.25ポイント利上げが実施されるとの見方は4月以降初めて完全には織り込まれなくなった。
欧州株は方向感に乏しい展開となり、ストックス欧州600指数はほぼ変わらずで終了した。一時は0.3%安となった。業種別では不動産、化学関連銘柄が買いを集めた一方、エネルギーや鉱業株は下落した。
6月24日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)
原題:Stocks Climb Late After Micron’s Blowout Outlook: Markets Wrap(抜粋)
US 30-Year Yield Lowest Since April as Inflation Fears Ease
Dollar at Seven-Month High as Fed Bets Offset Oil: Inside G10
Oil Erases Wartime Gains as More Tankers Transit Hormuz
Gold Breaks Below $4,000 as Multi-Year Rally Grinds to a Halt
European Stocks End Steady in Choppy Session; Rheinmetall Sinks
Bunds, Gilts Surge as Oil Prices Slide: End-of-Day Curves
(相場を更新して市場関係者の見方を追加します)
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