金融市場で緊張が高まっています。きょうの債券市場では日本国債への売りが集まり、長期金利が日銀が上限としている0.5%を初めて超え、一時0.545%まで上昇しました。

住宅ローンや企業の資金繰りなど、あらゆるものに影響を及ぼす長期金利。市場では、このところ広がっていた日本国債を売る動きがきょう一段と拡大。先月、日銀が新たな上限に設定した0.5%を初めて超え、一時0.545%まで上がりました。

長期金利上昇のきっかけは先月、日銀が突然決めた金融政策の修正です。日銀は市場の予想に反して、それまで上限0.25%としていた長期金利を0.5%まで引き上げたことで、金利の上昇圧力がさらに強まっているのです。

みずほ証券 上野泰也チーフマーケットエコノミスト
「(日銀が)12月に突然、手のひらを返したような政策修正をやってしまったから、どう市場を落ち着かせるのか、(日銀は)かなり大きな難題を抱え込んだな」

焦点は、日銀が来週17日から開く金融政策決定会合。市場では「日銀が金融政策を再び修正し、12月に続いて金利の上昇を容認する決断を下すのではないか」という見方が広がっています。

みずほ証券 上野泰也チーフマーケットエコノミスト
「“おそらく何かあるんだろう”というのは(市場の)共通認識。ギリギリの判断に最後はなるんじゃないか」

私たちの生活に大きな影響を与える長期金利の行方。来週の日銀の判断を市場は固唾をのんで見守っています。