(ブルームバーグ):2025年の東証株価指数(TOPIX)は36年ぶりに年末値の最高値を更新した。市場ではコーポレートガバナンス(企業統治)の進展などにより、26年はTOPIXの騰落率が日経平均を上回るとの見方が出ている。
大納会のTOPIX終値は3408.97で、1989年末の2881.37を36年ぶりに上回った。昨年末からは22%上昇し、3年連続高となった。

25年のTOPIXは4月にトランプ米大統領の関税政策を受けて急落した後、貿易戦争への懸念緩和や欧米株と比べた割安感などから上昇して7月には史上最高値を更新。その後も業績改善や高市早苗政権への期待、世界的なカネ余りなどを背景に上値追いの展開となった。
野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは、TOPIXの年末最高値更新は物色の裾野が広がってきた証しだと話す。「経済と企業、政治が変わって割安修正が進んでいる」と言い、人工知能(AI)関連のみならず、銀行などの金融や建設や不動産といった内需株も含めて幅広く買われたと指摘する。
昨年は大型株に劣後した中小型株にも買いが膨らんだことからも、物色の広がりがうかがえる。TOPIXの小型・中型株の指数は年間でそれぞれ27%、26%上昇し、21%高の大型株を3年ぶりに上回った。
日経平均株価の終値は5万0339円で、2年連続で年末最高値を更新した。一部大型株の寄与度が大きく、年間上昇率は26%とTOPIXを3年連続で上回った。
世界的なAI相場が特に日経平均の追い風になったが、直近ではTOPIXの堅調さが目立つ。野村アセットの石黒氏は、予定されているコーポレートガバナンス・コードの改訂で企業の現金活用が進み株価純資産倍率(PBR)が一段と改善、幅広い銘柄が買われて26年はTOPIXが日経平均に対して優位になりそうだと述べた。
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