(ブルームバーグ):米ニューヨーク時間29日の取引で、金と銀がそろって急落。足元の大幅な値上がりを受けて利益確定の売りが優勢となっている。年末で市場の流動性が低く、値動きが増幅されている面もある。
金スポット価格は一時5%下落し、10月21日以来の大幅安となった。金が1日にこれほど大幅な下げを記録したのは今年2度目。同日のアジア時間に一時84ドルと最高値を付けていた銀も一時11%急落し、2020年9月以来の下げとなった。年末の休暇シーズンに入り金・銀はともに最高値を更新しており、記録的な値上がりが過度に急ピッチであったことことを示唆した。

ソシエテ・ジェネラルの債券・為替(FIC)・商品調査部門責任者を務めるマイケル・ヘイ氏は「大幅な値動きを深読みすべきではない」と指摘する。年末は例年「流動性が極端に低くなりがちだ」という。
この日の下落は、金と銀いずれも季節的な力強い上昇が続いた後の利益確定の売りが主因だと同氏は指摘。貴金属は歴史的に、年末から新年にかけて大きく値上がりする傾向があり、過去10年において金は同期間に約4%、銀は通常7%近くいずれも上昇してきたと同氏は語った。
テクニカル指標も金の売りを促した。14日間の相対力指数(RSI)は過去2週間にわたり買われ過ぎの水準にあり、金が調整に入る兆しを示していた。
銀の状況はさらに劇的だ。12月中旬以降で25%超上昇し、RSIは70を大きく上回る水準が続いている。70を超えると短期間に過度な買いが入ったことを示す。

原題:Gold, Silver Plunge as Traders Book Profit From Record Rallies(抜粋)
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