(ブルームバーグ):ロシアは、シーズン後半の穀物輸出枠を2000万トンに設定した。世界最大の小麦輸出国である同国は、かなりの規模の穀物輸出を維持する余地を残した。
政府令によると、来年2月15日から6月30日までの同輸出枠には大麦やトウモロコシなど複数の穀物が含まれる。前季の同期間は1060万トンで、大麦とトウモロコシは対象外だった。ロシアは今季全体で5300万-5500万トンの穀物輸出を目指しており、世界的に価格が本格的に持ち直せば輸出を増やしたい考えだ。
今季これまでのロシアの穀物販売は、世界的な穀物価格低迷とルーブル高により利幅が圧迫され、低調となっている。主力の小麦は出荷が鈍く、シーズン最初の数カ月の輸出量は前年同期を約30%下回った。
ロシアは2020年に穀物輸出枠の運用を開始し、翌年に正式に恒久制度化した。各シーズン後半の枠量は、収穫量や年初の出荷ペースに応じて変動する。今季後半の輸出枠は、実質ベースで過去最も厳しい水準となっている。
ロシアとウクライナが互いの船舶や港湾インフラを攻撃し、同地域の穀物輸出が脅かされていることを背景に、穀物や油糧種子の価格は今月、上昇している。
調査会社ソブエコンは今月、2025年のロシアの穀物収穫量見通しを1億3620万トンに引き上げ、小麦は8880万トンとした。同社のマネジングディレクター、アンドレイ・シゾフ氏によると、今季後半の輸出枠適用期間中にロシアは小麦を1500万-1600万トン出荷する見込みだ。
原題:Russia Boosts Late Season Grain Export Quota as Prices Pick Up(抜粋)
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