(ブルームバーグ):多国籍の海上情報機関である共同海事情報センター(JMIC)は20日、ホルムズ海峡の南側航路をトランスポンダ(船舶位置情報発信装置)信号を発信したまま、昼夜を問わず通航してもよいとする勧告を出した。
JMICは米海軍の「海運の協力と海運への指針(NCAGS)」に言及し、南側航路を選択する船舶は米海軍との連携を義務付けられていないものの、連携を推奨するとした。
JMICは、海峡内の混雑や、機雷が存在する可能性に注意すべきだと指摘した上で、掃海作業が見込まれると付け加えた。米海軍はこれまで、南側航路に機雷はないとしていた。
JMICによる今回の情報更新に先立ち、米軍は船舶に対し、ホルムズ海峡の通航で位置情報の発信を停止した状態の「ダーク航行」を促し、夜間の通航が望ましいとしていた。ブルームバーグ・ニュースが勧告の内容を確認した。
JMICは「船員は、船舶自動識別装置(AIS)を作動させた状態でレーダーを稼働し、航海灯を点灯させてVHFを通常通り使用しながら、昼夜を問わず南側航路を通航してもよいと勧告されている」とした。AISはトランスポンダによる自動識別の仕組み、VHFは超短波無線通信を指す。
さらに「NCAGSとの連携は義務ではない。船舶は連携なしに南側航路を通航できる」とした。ただ、安全な通航に関するより詳しい情報を米海軍から得るよう促した。JMICが今回の勧告を出した理由は直ちには明らかになっていない。

JMICは、ホルムズ海峡における海上保安上の脅威レベルを「中程度(モデレート)」としている。これは米・イラン暫定合意署名前の「相当程度(サブスタンシャル)」より一段階低い。
ホルムズ海峡は2月末に戦争が始まって以降、ほぼ封鎖された状態が続き、その後は国際的な外交上の駆け引きの対象となってきた。事実上の封鎖前、世界の石油供給のおよそ5分の1が同海峡を経由していた。
米国とイランが暫定的な和平合意に署名したにもかかわらず、海峡の状況は依然として不透明だ。イランは19日、ホルムズ海峡を通航する船舶について、同国の許可取得と保険加入を義務付ける方針を示した。
米国とイランの覚書に盛り込まれた争点について、両国が60日間で歩み寄れるかどうかについても疑問が浮上している。19日にスイスで開催される予定だった米イランの協議は、レバノン南部でのイスラエルと親イラン派武装組織ヒズボラによる衝突再開を受けて延期された。
原題:Ships Can Use Hormuz Southern Route With Signals On, JMIC Says(抜粋)
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