(ブルームバーグ):イランは、ホルムズ海峡を通航する船舶について、同国の許可取得と保険加入を義務付ける方針を打ち出し、同海峡への統制強化を図る姿勢を鮮明にした。一方、米軍はオマーン沿岸に沿ったルートを通って一晩で20隻が航行したと明らかにした。
米国とイランが海峡再開に向けた暫定和平合意に達した後で、海運業者は、ホルムズ海峡の通航が安全かどうか、また今後どのような体制になるのかを見極めようとしている。そうした中で、イランと米国は相反する動きを見せた。19日には、オマーン沿岸付近で機雷が発見されたとの報告もあり、信号を発信した状態でホルムズ海峡を通過する船舶は減少した。

ただ、多くの海運会社や石油生産者にとって、将来的に「保険料」を徴収する権利を留保するとしたイランの警告は、最悪のシナリオを現実味のあるものにしかねない。つまり、ホルムズ海峡の通航料徴収だ。
イランのペルシャ湾海峡庁(PGSA)はウェブサイトに掲載した文書で、ホルムズ海峡の通航に際して求めている保険料は現在は無料だが、将来的には費用が発生する可能性があると説明した。また、船舶はイラン沿岸に沿った指定航路を通らなければならず、それ以外のルートは認められないとした。
イランと米国が交わした覚書では、60日間の有効期間中は通航を無償とすることだけが定められていることから、海運会社やエネルギー生産者の間では、イランが将来的にホルムズ海峡の通航料徴収に乗り出すのではないかと懸念が強まっている。
事情に詳しい高官によると、英国を中心とする米国の同盟国は、イランによる通航料導入の試みを容認しないようトランプ米政権に強く求めている。業界側は、通航料徴収が国際海事法に反し、他の海峡や水路にも波及しかねない危険な前例になると警告している。
PGSAの文書によると、「現在、この保険は船主に無償で提供されており、費用はすべてイランが負担している」と記述されている。そのうえで、「PGSAは将来的に保険料を導入する権利を留保しており、その額は関係する保険会社が決定する。その場合、船主は保険を購入し、更新することが求められる」と説明している。
西側の海軍当局は18日、オマーン領海沿いの航路を主要な通航ルートとして推奨した。ホルムズ海峡中央部の航路で機雷除去作業が進められる間、並行する航路が開設される可能性を示唆する動きと受け止められている。
PGSAは戦時中にイランが設立した組織だが、その後、米国の制裁対象となった。イランの近隣諸国は同庁の正統性を認めていない。
文書によると、船舶は通航許可を取得するためPGSAに申請を提出しなければならず、通常は48時間以内に回答を受ける。許可証は海峡通航1回に限り有効で、発行から5日間有効とされる。また、イランが安全とみなす航路の地図も公表した。指定された航路から逸脱した場合は「違反として扱う」としている。
原題:Iran Floats ‘Insurance Fees’ and Asserts Control Over Hormuz (1)
(抜粋)
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--取材協力:Priyanjana Bengani.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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