原油相場は19日、上昇に転じている。北海ブレント原油先物は一時1バレル=80ドルを上回り、週間下落率が約8%まで縮小した。8月限のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は一時77ドル前後で推移している。ホルムズ海峡を通る原油輸送の再開と、中東に残る緊張の行方を見極めようとしている。

米国とイランの暫定和平合意を受け、ホルムズ海峡で足止めされていた原油を積んだ船舶が海峡から出始めている。一方で、バンス米副大統領は、イランとの追加協議のため19日に予定していたスイス訪問を延期した。

そのうえ、イスラエル軍がレバノンで親イラン組織ヒズボラに対する攻撃を継続したと発表した。レバノンでの戦闘停止は、米国とイランの合意に盛り込まれている最初の項目だ。

ホルムズ海峡では18日、計約1000万バレルの原油を積載した船舶が海峡の外に出た、または海峡を航行していることが確認された。国際エネルギー機関(IEA)によると、ホルムズ海峡を通過する原油・石油製品は、平時は1日当たり約2000万バレルに上る。

バンス副大統領は18日、前夜に1250万バレルの原油がホルムズ海峡を通過したと述べた。2月末に戦争が始まって以降で最大の1日当たり通過量となった可能性がある。

米国のジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)がブルームバーグの取材に応じ、イラン戦争についてコメントした

今週は原油価格が下落したことで、先物相場はイラン戦争勃発により上昇した分をほぼすべて解消した。トランプ米大統領はこの状況を歓迎し、ソーシャルメディアに、「市場は現在の状況を歓迎している。原油価格は大幅に下がり、株価は大きく上昇している」と投稿した。

状況の変化に生産者側も対応し始めている。アブダビ国営石油(ADNOC)は顧客に対し、ペルシャ湾内の港湾からの原油積み込みを再開するよう通知した。ブルームバーグが確認した同社による通知で明らかになった。ADNOCはコメントの求めに応じなかった。

ホルムズ海峡の完全な通航再開への道筋は複雑で、時間を要する可能性がある。円滑な再開には、船舶の適切な配置、油井の再稼働、インフラの修復、機雷除去作業に関する合意などが必要となる。一部の船主は引き続き、海峡やペルシャ湾の航行環境に慎重なままだ。

D/Sノルデンのヤン・リンドボ最高経営責任者(CEO)は「誰もが船を出したいと思っているが、必ずしも最初になる必要はないという雰囲気だ」と述べた。その上で「航行再開が進めば信頼感は高まるだろう。しかし状況は依然として脆弱(ぜいじゃく)であり、その信頼感は少しの出来事で再び失われかねない」と語った。

原題:Oil Ticks Higher as Traders Assess Hormuz and Lingering Tensions(抜粋)

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