原油価格は週間ベースで大幅に下落する見通しだ。米国とイランの暫定和平合意を受け、ホルムズ海峡を通過する船舶の航行が正常化に向かい始めたことで、世界の原油市場が経験した過去最大級の供給ショックが和らいでいる。

北海ブレントは1バレル=79ドル近辺まで下落し、週間では約9%安となる勢い。米ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)8月限も75ドル近辺で推移した。足止めされていた原油を積んだ船舶がホルムズ海峡を抜け始めている。一方、クウェートは生産拡大を再開すると表明した。

18日には、3隻の超大型原油タンカー(VLCC)などがすでに海峡の外へ出たか通過中であることが分かった。合計約1000万バレルの原油を運んでいるという。

国際エネルギー機関(IEA)によると、平時のホルムズ海峡では原油および石油製品で日量約2000万バレルが通過していた。

バンス米副大統領は18日、前夜にホルムズ海峡を通過した原油が1250万バレルに達したと述べた。2月末の戦争開始以降で最大となった可能性がある。

生産者側が状況変化への対応を進めている兆候として、アブダビ国営石油(ADNOC)は顧客に対し、ペルシャ湾内の港湾からの原油積み込みを再開するよう通知した。ブルームバーグが確認した同社による通知で明らかになった。ADNOCはコメントの求めに応じなかった。

原油価格は戦争開始によって生じた上昇分のほぼ全てを吐き出した。トランプ大統領はこうした動きを歓迎し、今回の合意がイランに過度な譲歩をしたとの批判に反論。SNSへの投稿で「市場は起きていることを歓迎している。原油価格は大幅に下がり、株価は大きく上昇している」と述べた。

原油価格は急落したものの、ホルムズ海峡の完全な通航再開は複雑で時間を要する可能性がある。円滑な再開には、船舶の適切な配置、油井の再稼働、インフラの修復、機雷除去作業に関する合意などが必要となる。一部の船主は依然として海峡やペルシャ湾の航行環境に慎重な姿勢を維持している。

D/Sノルデンのヤン・リンドボ最高経営責任者(CEO)は「誰もが船を出したいと思っているが、必ずしも最初になる必要はないという雰囲気だ」と述べた。その上で「航行再開が進めば信頼感は高まるだろう。しかし状況は依然として脆弱(ぜいじゃく)であり、その信頼感は少しの出来事で再び失われかねない」と語った。

原題:Oil Sinks as Hormuz Flows Seen at Strongest Pace Since War Began(抜粋)

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