(ブルームバーグ):バンス米副大統領は、トランプ大統領がイランと結んだ暫定和平合意を批判したイスラエル閣僚らに反論した。
トランプ大統領が17日に署名した、いわゆる覚書は、イスラエル国内で広く批判されている。イスラエルは2月に始まった対イラン戦争で米国とともに参戦した。
イスラエル国民の多くやネタニヤフ政権の一部閣僚は、この合意がイランに過度な経済的譲歩を与える一方、同国の弾道ミサイル計画の抑制には何ら寄与しないと考えている。また、レバノンでの恒久停戦を宣言する条項にも反対している。イスラエルは、イランの支援を受ける武装組織ヒズボラとレバノンで戦闘を続けている。
批判派の一人が極右のベングビール国家治安相だ。同氏はXへの投稿で、「トランプ氏の合意はわれわれを拘束しない」と述べ、イスラエルと米国との間で緊張が高まっていることを浮き彫りにした。さらに、「イスラエルは米国に従属しておらず、われわれは独立した主権国家だ」と主張した。

バンス副大統領は、この合意の主要な立案者の一人だ。10月の総選挙を前にイスラエルの政治家の間ではこうした批判が強まっており、バンス氏はトランプ大統領の忍耐を試すことになるとの認識を示した。
バンス氏は記者団に対し、「ネタニヤフ首相の閣僚の中には、この合意を攻撃し、ある意味では米大統領個人に対する攻撃にまで踏み込んでいる者がいる」と述べ、いらだちを示した。
トランプ大統領自身もここ数週間、ネタニヤフ首相への不満を強めている。電話協議では同首相に罵声を浴びせたほか、イスラエル軍によるレバノン首都ベイルートへの空爆が、イランとの合意を危うく台無しにしかけたと述べている。
トランプ大統領は18日、イスラエルのテレビ局チャンネル14のインタビューに応じた。イスラエルが単独でイランへの攻撃に踏み切った場合、防衛支援を行うかと問われると、「大規模な攻撃でなければ、もちろんだ」と答えた。
バンス氏は「トランプ大統領は現時点でイスラエルに同情的な世界で唯一の国家指導者だ。しかも、超大国の指導者でもある」と述べた。
海外での戦争への関与を避けるべきだと長年主張してきたバンス氏は、イランとの紛争が始まって以降、米軍は敵対勢力による攻撃からイスラエルを守るために十分な役割を果たしてきたと付け加えた。
バンス氏は「イスラエルを守ってきた防衛兵器の3分の2は米国人の手で製造され、米国の税金で賄われている」と述べた。その上で、「イスラエルにとっての問題はトランプ氏ではない。イスラエル国内で最大の問題が米大統領だと考えている人は、現実を直視する必要がある」と語った。
イランとの戦争に加え、ガザ地区およびレバノンでのイスラエルの紛争も、他の同盟国との緊張を高めている。これらはいずれも、2023年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃したことに端を発している。
チャップマン英外務閣外相はブルームバーグとのインタビューで、イスラエル軍はレバノン南部から「直ちに」撤退すべきだと述べた。「進行している破壊行為はレバノンを弱体化させている。それは、イスラエルを含む誰もが実現を望んでいると主張する、より強固なレバノン国家の構築とは逆の結果をもたらしている」と語った。
侵攻と空爆によって数千人のレバノン人が死亡し、100万人以上が避難を余儀なくされる中でも、ヒズボラが自国領土への脅威でなくなるまで、イスラエルはレバノン南部に部隊を駐留させ続ける考えを示している。
原題:Vance Warns Israeli Cabinet Against Attacking Trump’s Iran Deal(抜粋)
--取材協力:Jennifer A Dlouhy、Galit Altstein.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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