(ブルームバーグ):今週の暫定和平合意で米国による海上封鎖が解除されたイランは、石油輸出を急回復させる好機と捉えている。実現できれば、イラン経済がまさに必要としている起爆剤になり得る一方、原油相場には下押し圧力が増す可能性がある。
イランの石油当局者2人によると、同国は戦争の影響を受けた他の産油国と比べて生産削減幅がはるかに小さかったため、石油の輸出と生産を比較的短期間に回復できる態勢にある。
トランプ米大統領との間で締結された覚書によると、イランのホルムズ海峡封鎖に対する報復措置として実施されていた米国の海上封鎖は、即解除される。
イランは速やかに世界への供給を1%余り増やせる可能性がある。長年の経済制裁や通貨安で疲弊した経済にとって、輸出拡大は待望の追い風になる。
覚書によれば、米国は最終合意に達した段階で対イラン制裁を解除する方針だが、それまでの間についても制裁適用除外措置を発行する。
データ分析会社ケプラーによると、イランの石油貯蔵余力は急速に縮小しつつあり追加減産が必要になりそうな見通しだったが、輸出を速やかに回復できるなら、そうした事態も回避できる。
実際、イランはホルムズ海峡封鎖で打撃を受けた他のペルシャ湾沿岸産油国よりも、早い回復を果たしそうだ。他国の原油を輸送する海運会社は保険の手配に一定の時間がかかる見通しだが、イランは西側の制裁をかわすために長年にわたって利用してきた「影の船団」を比較的容易に動員できる。

イランのエネルギー業界の数百社を代表するイラン石油・ガス・石化製品輸出業者協会のハミド・ホセイニ報道官は、「今回の停止期間はそれほど長くなかったため、油井の再稼働と輸出再開は速やかに可能なはずだ」と述べた。
メディアに発言する権限がないとして匿名を要請した別の当局者も、同様の見方を示した。
イランが既にそうした措置をとり始めている兆しも見られる。
ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、原油を満載したタンカー4隻が米国の封鎖ラインを越え、アジア方面に向かっていることが確認された。イラン産原油を積み込むため、ペルシャ湾に向かう船舶も見られている。
準国営イラン学生通信(ISNA)によると、同国当局は18日、南部港湾における商業船舶の往来が通常の水準に戻ったと発表。米国はイランの港湾および沿岸海域に対する海上封鎖を全て解除したと、中央軍がX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。
原題:Iran Eyes Oil Export Revival as Sanctions Eased, Blockade Lifted(抜粋)
--取材協力:Paul Burkhardt、Prejula Prem、Sarah Chen.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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