国際エネルギー機関(IEA)は17日、イラン戦争による石油需要への影響が従来の予想よりはるかに深刻になり、来年には市場が再び供給過剰に転じるとの見通しを示した。

IEAは月報で、今年の世界石油消費が日量110万バレル(約1%)落ち込むと分析。「燃料価格の上昇と石油製品の供給混乱」を背景に2020年の新型コロナウイルス禍以来の大幅減少となるという。以前は日量約42万バレルの減少を見込んでいた。

極めて大きな減少だが、イラン戦争による供給喪失に比べれば小さな規模だ。失われた供給は10億バレル超と見積もられている。世界は在庫を取り崩し、可能な範囲で他の産油国からの輸出を増やし、一部では購入を減らすことで対応してきた。特に中国でそうした動きが目立つ。

4カ月に及ぶ戦争を終結させる米国とイランの協定が近く結ばれれば、一定の緩和につながる。ただIEAは、合意が維持されたとしても輸出の回復は「緩やか」になるとし、「主要航路から機雷を除去する必要があり、サプライチェーンの正常化には時間がかかる」と指摘した。戦前の輸出水準への回復は「少なくとも数カ月以上かかる見通し」だ。

需要が後退しているにもかかわらず、世界の石油在庫は急速に減少している。各国政府が保有する在庫は緊急備蓄の放出により1990年以来の低水準に落ち込んだ。

IEAは「原油と石油製品の需要が大幅に減少しているが、システム内の備蓄は記録的なペースで損なわれ続けている」とし、「市場の需給バランスが年末にかけて供給過剰へ転じる前に、今後数カ月のさらなる減少で世界の石油在庫が歴史的な低水準に達する可能性はなおある」としている。

2027年の需給バランスについて、「来年は大幅な余剰が生じる」とし、「これは市場にとって歓迎すべき一息となり、枯渇した在庫を補充したり、各国が危機を受けてエネルギー戦略や政策を見直す中で新たな戦略備蓄を積み増したりする機会になり得る」との見方を示した。

原題:IEA Cuts Oil Demand Forecast as Iran War Inflicts Deeper Toll (抜粋)

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