日本の原油輸入単価が2カ月連続で過去最高を更新した。中東情勢の緊張でエネルギー供給が混乱する中で、調達先の多角化が進んだ一方、輸入コストが上昇した。

財務省の17日の発表によると、原油・粗油の円建て単価(速報値)は1キロリットル当たり11万4076円(1リットル当たり114円)。過去最高だった4月分を12.5%上回った。前年同月と比べると67.2%高い。2000年代に原油価格が高騰した当時はドル・円相場が円高だったことから、円建て単価は比較的低く抑えられていた。

Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg

5月の原油・粗油輸入量は57.3%減は2カ月連続で前年を大幅に下回った。地域別では中東が61.9%減少した一方、米国からは24%増、アジアからは66.2%増加した。金額ベースでは全体で28.5%減少した。

財務省は、米国産原油の輸入が増えたことで全体の単価が押し上げられた可能性があると説明した。

2月末に始まった米国・イスラエルとイランとの武力衝突の影響で、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡が実質的に封鎖状態となった。原油調達の中東依存リスクが浮き彫りとなる中、政府は多角化に取り組んだが、エネルギーの安定供給確保と経済負担の両立が課題となる。

農林中金総合研究所の南武志理事研究員は、「原油の輸入は中東情勢の影響で減っており、石油関連の商品は品薄感から値上がりしている」と指摘。「それが企業に悪影響を与えるというのは今後もしばらくは続いていく」との見方を示した。

石油製品のうちガソリンやナフサなど揮発油の5月の輸入は、金額ベースで前年同月比68.5%増加。地域別では、中東からが85.3%減少した一方、米国からが13倍、欧州連合(EU)が6.4倍と急増した。数量ベースでは13.7%減少。米国からが6.7倍、EUが3.2倍となった。中東は9割減少した。

他のポイント

  • 5月の全体の輸出は17%増(市場予想16.5%増)-9カ月連続プラス
    • 半導体等電子部品や自動車、非鉄金属が増加
  • 輸入は12.5%増(同12.8%増)-4カ月連続プラス
  • 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3786億円の赤字-4カ月ぶりマイナス
  • ドル・円の平均値は1ドル=158.29円-前年比10%の円安

(詳細とエコノミストコメントを追加して更新しました)

--取材協力:野原良明.

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