中国のバイオ医薬品会社、杭州先為達生物科技(サイウィンド・バイオサイエンシズ)は、自社の減量薬であるエクノグルチドの中国国外展開に向け、提携交渉を本格化させている。新たな臨床データで、デンマークの製薬大手ノボノルディスクの肥満症治療薬「ウゴービ」より大きな減量効果が示されたことに勇気づけられている。

サイウィンドはエクノグルチドの商業的な潜在力を最大限引き出すため、欧米の主要市場と急成長する新興国市場の双方で提携契約の締結を目指している。潘海最高経営責任者(CEO)がインタビューで明らかにした。同薬は現在、中国でのみ販売されている。中国では米医薬品大手ファイザーが最大4億9500万ドル(約794億円)で同国内の独占権を取得した。

この契約は中国外には及ばず、サイウィンドは海外での提携交渉を自由に進められる。

今回のデータは、こうした協議を後押しするとみられる。中国の患者163人を対象とした中期段階の試験では、エクノグルチド投与群の平均体重減少率は12.8%だった。これに対し、ノボの2型糖尿病治療薬「オゼンピック」とウゴービの有効成分であるセマグルチドの投与群は9.5%だった。過去の分析でもエクノグルチドがセマグルチドを上回る可能性は示唆されていたが、サイウィンドの主張を裏付ける直接比較の結果は今回が初めてだ。

世界の製薬大手は近年、世界展開が見込める有望な医薬品候補を求め、中国のバイオ企業に相次ぎ目を向けている。こうした候補薬を世界でさらに開発する狙いだ。ただ、地政学的緊張を背景に、こうしたライセンス契約への監視は強まっている。

韓国でのサイウィンドの提携先であるHKイノエンは、同国でエクノグルチドの第3相試験を実施している。サイウィンドは過去にも、英国のバーディバ・バイオサイエンスに3品目の海外権利を付与していた。

サイウィンドは中国での試験でエクノグルチドの高用量を試し、より大きな減量効果が得られるか見極める方針だ。潘CEOによると、将来的には米製薬大手イーライリリーの肥満症治療薬「ゼップバウンド」との直接比較も検討している。

週1回注射するエクノグルチドは、ウゴービと似た作用機序を持つ。いずれも血糖値と食欲を調節するGLP-1と呼ばれる天然ホルモンの働きを模倣する。ただ、エクノグルチドは構造がやや異なり、標準的なGLP-1受容体作動薬に比べて有効性と安全性が高まるとサイウィンドはみている。GLP-1に加え、別のホルモンにも作用するゼップバウンドなどの新世代薬に匹敵するとの位置付けだ。

中国ではファイザーとサイウィンドが、ノボ、リリー、中国バイオ医薬大手の信達生物製薬(イノベント・バイオロジクス)など既存勢力に挑んでいる。競争激化の兆しとして、各社はここ数カ月で値下げに動いている。競合薬と同様、サイウィンドの薬も糖尿病と肥満症の双方で承認されている。

GLP-1について市場の理解を広げるには時間がかかるものの、潘CEOは、サイウィンドが1000億元(約2兆3600億円)超と見積もるGLP-1市場で10%超のシェア獲得を目指すと述べた。

原題:Pfizer-Partnered Obesity Drugmaker Eyes Deals Outside China(抜粋)

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