(ブルームバーグ):8日の韓国株式相場は急落。世界的な強気相場を支えてきた人工知能(AI)関連銘柄から、投資家が資金を引き揚げている。
韓国総合株価指数(KOSPI)は8.3%安で引けた。取引開始直後には20分間にわたり売買が停止された。半導体メモリー大手サムスン電子とSKハイニックスが取引時間中の安値から持ち直したことでKOSPIは大きく振れ、韓国株式市場の特徴となっている高いボラティリティーを示した。新興企業向け市場KOSDAQでも午後に売買が一時停止された。
韓国株式相場の大幅な値動きは、同国がAI集中リスクの象徴となるほどの急騰を経た後に起きている。AI関連取引の過熱への懸念を背景に世界のハイテク株は下落。米市場の同業銘柄も利上げに対する警戒感から5日に急落した。サムスンとSKハイニックスに連動するレバレッジ型上場投資信託(ETF)に個人資金が数十億ドル規模で投じられていることから、一方向に偏った取引の巻き戻しは韓国市場にとりわけ大きな打撃を与える恐れがある。
ヘッジファンド、ペトラ・キャピタル・マネジメントのマネジングパートナー、アルバート・ヨン氏は「半導体株への投資が過度に集中している上、現在の市場環境も不安定なことを考えれば、ある程度のパニック売りが起きても驚くことではない」と述べた。

韓国取引所は8日に緊急会議を開き、相場変動の拡大を点検するとともに、市場運営の安定確保に向けた対応策を協議した。
一方で、投資家は米エヌビディアとSKハイニックスがAI向け次世代メモリーチップの設計で提携することで合意したことなどの好材料にも注目していた。株主還元の改善を訴えてきた李在明大統領は8日、就任1周年を記念する記者会見で、韓国株式相場はなお割安だとの認識を示した。
インドスエズ・ウェルスのアジア担当チーフストラテジスト、フランシス・タン氏は「出社した時には『ブラックマンデー』を予想していなかったが、市場では常に警戒を怠らないことが重要だ」と指摘。「一方に偏った取引や世界的な不安心理に伴うリスクは十分認識されていた。特に、地政学リスクの高まりと高水準のバリュエーションが懸念される中ではなおさらだ」と述べた。
それでも、多くの投資家は、テクノロジー大手の設備投資計画や韓国半導体メーカーの堅調な利益予想を背景に、テクノロジー・ハードウエア分野の長期的な見通しはなお良好だとみている。
ゴールドマン・サックス・グループのアジア太平洋担当チーフ株式ストラテジスト、ティモシー・モー氏はブルームバーグテレビジョンで、「長期的に見れば、これは強気相場の中で起きたテクニカルな調整として振り返られるだろう。今回のような急激な調整であったとしてもだ」と語り、「ファンダメンタルズは依然として非常に、非常に強い」とコメントした。ゴールドマンは先週、KOSPIの目標水準を9000から1万2000に引き上げた。
フィボナッチ・アセット・マネジメント・グローバルのユン・ジュンイン最高経営責任者(CEO)も、これを長期的な弱気相場の始まりとみるには時期尚早だと考えている。「ここ数カ月の力強い上昇、とりわけAIや半導体関連銘柄の値上がりを考えれば、ある程度の調整は健全であり、予想されたものだ」と述べた。
原題:Korean Stocks Tumble as Unwinding AI Trades Threaten Bull Run、Kospi Index Falls 8.3%; Led by Electronics Sector(抜粋)
(第7段落以降を追加し更新します)
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