(ブルームバーグ):財務省が2日に実施した10年利付国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が3.53倍と過去12カ月平均(3.35倍)を上回った。利回りの高さから需要があり、波乱なく消化された。市場参加者の間からは「強めの結果だった」との声が出ていた。
前回の応札倍率は3.9倍だった。最低落札価格は98円01銭と市場予想(98円00銭)を上回った。大きいと入札の不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は5銭(前回は3銭)だった。
入札結果を受けて、長期国債先物6月物は一時前日比48銭高の129円22銭まで上昇。新発10年債利回りは6.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い2.615%に低下する場面があった。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは「強めの結果と言ってもよいかもしれない」と語る。長期債の地合いが改善していたことと、割安感があったことが奏功したと指摘。「午前中に先回り買いが入り少し心配したが、それでもしっかりこなせたことで債券市場全体が落ち着く可能性もある」と話す。
入札をこなし、市場の関心は3日に予定される日本銀行の植田和男総裁の講演に移る。稲留氏は「今月の利上げについて何らかのシグナルがあるか注目している」と言う。

中東情勢の混乱長期化への懸念から世界的に金利が上昇する中、新発10年債利回りは5月に2.8%と1996年以来の高水準を更新した。足元では米国とイランの停戦合意期待を背景に原油価格がやや落ち着いていることもあり、急速な金利上昇は一服している。ただ、日銀がインフレに対して後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念や財政拡張への不安から金利先高観はくすぶっている。
(市場関係者のコメントや相場動向を追加し更新します)
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