(ブルームバーグ):人工知能(AI)開発の米アンソロピックは最新の資金調達ラウンドを早ければ25日からの週にも完了する。
事情に詳しい関係者によると、調達額は300億ドル(約4兆7800億円)を突破し、企業価値が9000億ドルを上回る可能性がある。実現すれば、競合のOpenAIを上回り、評価額世界一のAIスタートアップとなる。
今回の資金調達ラウンドはセコイア・キャピタルとドラゴニア・インベストメント・グループ、アルティメーター・キャピタル、グリーンオークス・キャピタル・パートナーズが共同で主導する見通しだ。各社は約20億ドルずつ投資する計画だという。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。
関係者によれば、ゼネラル・カタリストやピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンドなどの株主も追加出資を予定している。
今回の資金集めは、アンソロピックが当初目標としていた300億ドルを上回るペースで積み上がっていると関係者は説明。出資契約はなお最終調整中で、条件が変更される可能性もある。
対話型AI「Claude(クロード)」を開発するアンソロピックに対する投資家需要の強さを示す形で、この大型調達は数週間でまとまった。同社は4月下旬時点で、複数の投資提案を受け、企業価値9000億ドル超での新規調達を検討していたとブルームバーグ・ニュースは先に報道。そして今月に入り正式な協議を開始した。
アンソロピックとファウンダーズ・ファンド、セコイア、ゼネラル・カタリストはいずれもコメントを控えた。
ドラゴニアとアルティメーター、グリーンオークスはコメント要請に応じなかった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)はこれに先立ち、今回の一部ラウンド参加者について報じていた。
アンソロピックは2021年、OpenAI出身者グループによって設立された。その後、AI分野の有力企業として台頭。同社はコーディングからサイバーセキュリティーに至るまで、企業の業務処理方法を刷新することを目的とした一連のAIツールを開発してきた。
ブルームバーグ・ニュースによると、アンソロピックと「ChatGPT」のOpenAIはいずれも今秋にも株式公開する可能性がある。
アンソロピックは自社のコンピューティング能力拡大に向け、イーロン・マスク氏率いるスペースXと約450億ドル規模、アカマイ・テクノロジーズと18億ドル規模のクラウド契約を締結。また、アルファベット傘下グーグルから半導体とクラウドサービスの提供も受けている。
アンソロピックは追加資金の確保に向け、一部サプライヤーからの出資も受け入れている。グーグルは最近、アンソロピックの企業価値を3500億ドルと評価し100億ドルを出資することを決めた。2月時点と同じ評価額だったが、さらに一定の条件下で、最大300億ドルを追加出資する計画だという。
アマゾン・ドット・コムも以前、企業価値3500億ドルとの評価でアンソロピックに50億ドルを出資し、将来的にさらに200億ドルを投じる方針を明らかにしていた。グーグルとアマゾンが今回の資金調達ラウンドに参加するかどうかは不明。
OpenAIは3月に完了した資金調達ラウンドで、8520億ドルの価値があると評価されていた。同社は今後数日以内に新規株式公開(IPO)に向けた目論見書案を非公式に提出すると見込まれている。
原題:Anthropic to Close Over $30 Billion Round as Soon as Next Week(抜粋)
--取材協力:Edward Ludlow.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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