住宅の性能はどこまで分かるか
住宅性能表示制度では、住宅の性能を分野ごとに整理して評価しており、評価の対象となる内容も幅広い。耐震性などの構造に関する項目をはじめ、火災時の安全性、住宅の劣化のしにくさ、維持管理のしやすさ、断熱性や省エネルギー性といった温熱環境に関する項目が含まれる。さらに、空気環境、採光・通風、音環境、高齢者への配慮、防犯対策など、日々の暮らしの安全性や快適性に関わる幅広い要素が評価の対象となっている。住宅の基本的な安全性だけでなく、快適性や暮らしやすさを支える機能を総合的に「見える化」する仕組みと言える。
こうした性能は、新築住宅については10分野33項目、既存住宅については9分野30項目が設定されている。このほか、新築住宅については、評価を行う際に必ず確認する必須評価項目が定められている。
評価結果は等級や数値によって示しており、一般的に数値が大きいほど性能が高いことを意味する。日本住宅性能表示基準では、各評価項目について、等級ごとの判断基準が詳細に定められている。例えば、「1-1 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」では、等級1は、極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力に対して、住宅が倒壊・崩壊しない程度の性能を備えていることを示している。これは、建築基準法施行令第88条第3項に定められた耐震性能に相当する。建物が耐える地震力の算定にあたっては、建物の固定荷重や積載荷重に加え、建物の高さ方向の形状や振動のしやすさ、地盤の種類、地域ごとの地震活動の特性などが総合的に考慮されている。これに対し、等級2は等級1の1.25倍、等級3は等級1の1.5倍の地震力に対して倒壊・崩壊しない性能が求められており、等級が上がるほど耐震性が高い水準に位置づけられている。
ただし、住宅性能表示制度は、等級の高さのみで住宅の良し悪しを判断することではない。居住者の暮らし方や立地条件、予算とのバランスを踏まえながら、それぞれの暮らしに合ったバランスで総合的に検討することが望ましいとされている。
