住宅情報サイトにおける住宅性能情報の掲載状況
では、このような住宅性能表示制度は、実際の住宅探しの場面でどのように取り扱われているのだろうか。不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)に加入している主要な住宅情報サイト6社における取扱状況を整理した(画像3枚目を参照)。

at home、LIFULL HOME’S、SUUMOでは、売買物件を中心に「住宅性能評価書あり」などの条件で物件を絞り込めるなど、住宅性能表示制度に関する情報提供が行われている点は共通している。また、各サイトとも制度や用語を解説するページを設けており、住宅性能に関する情報を消費者に分かりやすく伝えようとする取組がみられる。
一方で、情報の掲載内容や表示方法には違いもある。個別物件ページでは、どの性能項目でどの等級などの詳細情報まで掲載されていないケースも多く、掲載されている場合でも、表示内容は物件ごとに異なっている。そのため、特定の性能を備えた住宅を条件検索したり、住宅性能評価書の内容を横断的に比較するという点では、まだ改善の余地がある状況といえる。また、今回確認した範囲では、住宅性能表示制度に関する情報提供は主に売買物件を対象としており、賃貸物件では性能情報の掲載や検索機能は限定的であった。
近年は、「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、省エネルギー性能についても、断熱性能やエネルギー消費量の目安を示す表示が導入されつつある。2024年4月からは「省エネ性能表示制度」が本格的に始まり、販売・賃貸事業者が広告において、省エネ性能の表示ラベルを表示し、建築物の省エネ性能を消費者に分かりやすく伝える取り組みが進められている。2025年に不動産情報サイト事業者連絡協議会が実施した「不動産情報サイト利用者意識アンケート」では、住まいを選ぶ上での省エネ性能について「重要」「どちらかというと重要」と回答した割合は、売買で83.6%、賃貸で74.6%となっており、いずれも前年調査を上回るなど、省エネ性能への関心の高さがうかがえる。こうした省エネ性能の「見える化」が進むことで、今後は耐震性や音環境などを含めた住宅性能表示制度についても、住宅選びの際に意識される場面が増えていくだろう。
(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 社会研究部 研究員 胡 笳)