住宅を探す際、私たちはまず、立地や価格、間取りといった分かりやすい条件に注目しがちである。一方で、耐震性や省エネルギー性能、外部や上下階の音の聞こえにくさ、将来の劣化のしにくさといった住宅の性能は、日々の暮らしの安心や、長期的な住みやすさに大きく関わる重要な要素である。これらは建物の外観からは把握しにくく、また専門的知識を要することから、一般消費者にとって比較・評価が難しいという課題がある。

こうした住宅の性能を、専門的な知識がなくても一定程度把握できるようにするために整備されてきたのが、「住宅性能表示制度」である。この制度は、住宅の性能を共通の基準で第三者機関が評価し、消費者に分かりやすく示すことで、住宅の「見えにくい性能」を見える化し、安心して住宅を選べる環境づくりを目的としている。

本稿では、まず住宅性能表示制度の概要と仕組みを整理した上で、住宅情報サイトでどのように情報提供されているかを概観し、消費者にとっての活用の可能性について考察する。

住宅性能表示制度とは

住宅性能表示制度は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称:住宅品確法)に基づいて設けられた制度であり、2000年から本格的に運用されている。この法律では、住宅の性能を国が定めた共通の基準である「日本住宅性能表示基準」に基づいて評価し、その結果を分かりやすく示すことで、消費者が安心して良質な住宅を取得できる市場の形成を目指している。住宅性能表示制度は、新築住宅に限らず、既存住宅も対象としており、戸建住宅・共同住宅の別を問わず利用することができる。

この制度の大きな特徴は、住宅を供給する事業者自身ではなく、国に登録された第三者機関が評価を行う点にある。これにより、住宅の性能について、一定の客観性と信頼性を備えた情報が提供される仕組みとなっている。評価の結果は、二種類の住宅性能評価書として交付される。一つは、設計図書の内容をもとに評価を行う「設計住宅性能評価書」であり、もう一つは、工事中および完成後の検査を経て交付される「建設住宅性能評価書」である。いずれの評価書にも、法律に基づく所定のマークが表示される。

また、住宅性能評価書が交付された住宅には、安心を支える制度上のメリットもある。例えば、万一住宅に関するトラブルが生じた場合には、指定住宅紛争処理機関(各地の弁護士会)を通じて、裁判によらず円滑・迅速な紛争解決を図ることができる。さらに、住宅性能評価書を取得した住宅では、耐震性能の等級に応じて地震保険料の割引を受けることができる。免震建築物の場合は50%、耐震等級に応じても10~50%の割引が適用されるなど、性能の高さが経済的なメリットにもつながる制度となっている。