離脱後の英国の経済パフォーマンスは悪化
世界を震撼させた英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票から10年が経つ。
EUの厳しすぎる規制から解放され、国家主権を取り戻せば、英国はかつての誇りと栄光を取り戻し、より豊かで、より安全で、より開かれた国になると訴えた離脱派の主張は、必ずしも実現していない。
英国民の間には離脱への後悔も広がっており、各種の世論調査では半数以上が「離脱が間違いだった」と回答している。
離脱後の英国は、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大、資源価格の高騰に端を発した歴史的なインフレと生活困窮、財源の裏付けがない大型減税策の発表で金融市場の激しい動揺を招いたトラスショックなど、様々な危機に見舞われてきた。
政治の混乱も続き、この10年で5回首相が交代した。離脱後の英国の経済成長率は下方屈折し、インフレ率が高止まりするなど、経済パフォーマンスの悪化が続いている。
金融業、専門サービス業、人工知能、バイオなどの分野では引き続き高い競争力を保っているが、通関手続きや原産地証明などの事務負担が増したことで、最大市場であるEU向けの輸出が伸び悩んでいる。
EU向けの製造・販売・輸出拠点として英国に進出していた多国籍企業の一部は国外に流出し、産業の屋台骨を支えてきたEUからの移民労働者が国外に流出し、深刻な労働力不足に陥っている。
