人工知能(AI)は実社会で大きな影響を及ぼし始めており、AIを巡る熱狂はもはや将来への楽観的な期待だけではなくなっていると、米銀JPモルガン・チェースで投資銀行・M&A(合併・買収)部門のグローバル会長を務めるケビン・ブルナー氏は指摘した。

ブルナー氏は19日、ボストンで開かれた同行主催のテクノロジー・メディア・通信会議の会場でブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「AIは期待先行の段階から、実際の導入および規模拡大の段階へ移行した」と発言。「ここに参加している企業はどこも、自社の長期戦略をどう描くかに非常に注力している。その取り組みはまだ初期段階にある」と述べた。

AI主導の自動化の影響として、雇用削減が現実味を帯びている。直近では英銀スタンダードチャータードが19日、AIを活用した業務効率化により、今後4年間でサポート部門の人員を約8000人削減すると発表した。米銀ゴールドマン・サックス・グループのジョン・ウォルドロン社長兼最高執行責任者(COO)は今月、自社の業務について「人間による組み立てライン」のようなものだとし、自動化の余地が大きいとの認識を示していた。

ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語るJPモルガン幹部のケビン・ブルナー氏

AIによって勝者と敗者が鮮明になる中、M&Aへの影響は大きくなると、ブルナー氏は語った。

「AIは当社のあらゆる顧客に影響を及ぼしている」と同氏は指摘。「われわれが話をする顧客企業で、自社が業界内でどの位置にあるのか、長期戦略をどう描くのか、そして変化する環境にどう適応していくのかを検討していない企業はない」と続けた。

さらに、これまでのところM&Aにおいて資金調達環境は障害となっていないと述べた。「企業は大型案件を進めながら、将来に向けて自社の立ち位置を再構築しようとしている」とし、業界再編は不可避との見方を示した。

原題:JPMorgan’s Brunner Says AI Moving From ‘Hype’ to Real Execution(抜粋)

--取材協力:Lisa Abramowicz.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.