イラン情勢により世界経済の成長とインフレへのリスクが高まる中、パリで開催中の主要7か国(G7)財務相・中央銀行総裁会合は19日、財政支援を過度に拡大しないことなどをまとめた共同声明を採択し、閉幕した。

共同声明では、「中東で続く戦争により、特にエネルギー、食料、肥料のサプライチェーンへの圧力を通じて世界経済の不確実性が高まり、成長とインフレへのリスクが増大している」として、「成長を守り、経済的安全を支援し、回復力を高めるため、一時的かつ的を絞った、財政的に責任ある政策対応で協力する」と強調した。

同会議は、ホルムズ海峡を巡るエネルギー供給のひっ迫に起因するインフレに投資家が警戒感を強め、G7各国の国債利回りが上昇したタイミングで開催された。米30年債利回りは現在、2007年以来の高水準に近づいている。

こうした中、G7各国の中央銀行に対しては、対応を求める圧力が高まっている。投資家らは、特にユーロ圏や日本で、早ければ6月にも借入コストを引き上げる動きがあるとの見方を強めている。

経済協力開発機構(OECD)のコーマン事務総長は、ブルームバーグの取材に対し「事態が長引けば長引くほど、二次的な影響のリスクは高まる。賃金の上昇を二次的な影響と見なすなら、たとえ経済成長の見通しが多少弱くても、中央銀行は行動を起こす必要があるだろう」と語った。

経済協力開発機構(OECD)のコーマン事務総長がブルームバーグのインタビューに応じた

米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ次期議長は、今回の会合を欠席した。同氏は22日に就任宣誓式に臨む予定で、トランプ米大統領からは利下げを期待されている。だが、長引くエネルギー危機により、見通しはますます厳しいものとなっている。

ヌビーンのグローバル投資ストラテジストのローラ・クーパー氏は「このショックが長引くにつれ、FRBはますます対応が遅れる。問題はFRBがいつ方針転換し、インフレ圧力を本当に抑制する意思を示すかだ」と指摘した。

日本の内閣府が19日に発表した1-3月期の実質国内総生産(GDP)は、2四半期連続のプラス成長で、伸び率は市場予想を上回った。日本銀行がさらなる利上げに踏み込むとの観測が強まりそうだ。同日発表予定のカナダの4月の消費者物価指数(CPI)も、大幅な上昇が予想されている。

一方、19日発表の英国の雇用統計によると、4月は雇用主による人員削減がコロナ禍以来最大規模となり、イラン情勢の混乱が英国経済の成長に打撃を与えている実態が明らかとなった。

OECDは今後数週間のうちに経済見通しを見直す予定だ。コーマン氏は「世界経済の推移を見ると、その回復力は驚くべきものだ」と楽観的な見方を示しつつ、「明らかに多くの下振れリスクが存在する」と注意も促した。

原題:Global Inflation Weighs on G-7 as Higher Bond Yields Persist、G-7 Urges Fiscal Restraint in Face of War Shock to Economies(抜粋)

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--取材協力:Cecile Daurat、Eloise Hardy、Oliver Crook、畠山朋子、Erik Hertzberg、Daniel Flatley、藤岡徹、Kamil Kowalcze.

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